特集

2019年度 神溶会全国総会 京都にて開催


5月7日(火)京都ホテルオークラにて、令和初となる神溶会全国総会が開催されました。神溶会の指定商社・地区指定商社の代表、マスコミ各社、当社溶接事業部門幹部のほか総勢約100名が参加いたしました。

総会に続く懇親会では、参加者の皆様がお酒を片手に旧交を温め、盛況のうちに閉会となりました。

二〇一九年度 神溶会全国総会 式次第
2019年度 神溶会全国総会
山本 明 氏
株式会社神戸製鋼所
常務執行役員
溶接事業部門長
山本 明 氏

平素より神溶会活動への多大なるご支援を賜るとともに、当社溶接材料ならびに溶接ロボットシステムの販売にご尽力賜り、厚く御礼申し上げます。

ちょうど一年前のこの場で、初めて事業部門長としてご挨拶し、品質問題からの再出発を誓いました。溶接事業部門では「品質は経営の柱」を基本理念に、ISO9001を生産現場や開発だけではなく、営業・管理部門へとスコープの拡大を行っております。また国内工場がマザープラントとして、海外拠点のものづくり力と品質の向上に取り組み、事業部門が全員で品質の維持・向上、ものづくり力強化に向けた活動を進めております。全社的にも、社長の山口ほか、役員を筆頭として、「KOBELCO3つの約束・6つの誓い」「NEXT100プロジェクト」を展開し、信頼回復はもちろん、より喜ばれる商品・サービスの提供に向けて取り組んでおります。

さて、昨年2018年度は、国内は受注環境の厳しい造船やエネルギー分野は低調なものの、建築鉄骨・自動車・建設機械は堅調に推移しました。海外も韓国・中国の造船は厳しい環境が継続しましたが、タイ・インドネシアの自動車需要や中国の自動車・エネルギー需要は堅調に推移しました。

一方で、昨年は相次ぐ自然災害によりソリッドワイヤの供給が追い付かない事態となり、神溶会の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。厳しい状況が続いておりますが、工場の最適レイアウト変更などを通し生産性向上を図るとともに、段階的な設備能力の増強投資も進めてまいります。

そして溶接システム事業についても、好調な建築鉄骨向けに加え、建設機械向けの更新需要も立ち上がり、フル生産の状況が続いています。そのためお引き合いへの納期回答をはじめ、ご発注から据付までの期間も長期化し、お客様ならびに神溶会の皆様方には大変申し訳なく思っております。製造能力の拡大、図面・製造工程の標準化を一層進めるとともに、人材の確保・育成を加速し、事業部門挙げて改善を図ってまいります。

また、昨年度は鋼材製品の需給ひっ迫による鉄鋼製品をはじめ様々な物の調達価格が急騰、さらにドライバー不足により配送費も上昇が続き、当社が安定供給を果たす上でこれらの値上要請を受け入れざるを得ない状況が続いております。当事業部門の2018年度業績は、販売量は堅調ながら自然災害による生産への影響やコストアップにより、前年度より減益となりました。

こうした中で2019年度を迎え、当社の企業努力では吸収できない調達価格高騰に対し、国内外で販売価格改定をお願いさせていただいている次第です。改めましてご理解・ご協力のほどお願い申し上げます。

需要環境は、国内では豊富な案件数を有する建築鉄骨を中心に堅調に推移するとみています。一方海外は、中国の建設機械とエネルギー案件はやや減速感がみられ、海洋構造物も油価は持ち直しているものの、依然不透明かつ厳しい状況が続くとみています。とはいえ世界的にインフラ・自動車需要は堅調で、世界の造船受注量は2018年下期後半にようやく底を打った感があります。本格的な復調にはもう暫くかかるかもしれませんが、回復を期待しています。

山本 明 氏

さて、当事業部門は「世界で最も信頼される溶接ソリューション企業になる」ことを経営ビジョンに掲げています。その実現に向けた中期重点課題の進捗状況をご報告いたします。

1つ目が「溶接ソリューション事業の追求」です。

お客様に喜んでいただける溶接材料、溶接システムの開発を日々進めており、とくに溶接士不足が顕著になる中、溶接材料・プロセス・ロボットシステムのすべてを有する当社にとって「自動化提案による省人化・生産性向上」は責務であると考えています。これまでの鉄骨ロボットシステムに加え、REGARC™プロセス搭載「石松」の提供に代表されるように、活動は着実に進歩していると考えます。当社の高い施工技術への知見を、溶接電源制御と溶接ロボット動作制御による組合せ、さらにAIの活用により、自動溶接での健全な溶接品質を実現する技術開発を推進しています。開発の手を緩めることなく、さらにスピード感を持ち、神溶会会員様の商機拡大につながるよう、開発コストを集中させ、新メニュー創出につなげていきます。

2つ目は「アジアナンバーワンへの道筋」です。

こちらは神溶会の皆様と長年取り組んでいるマーケティング活動が原点と考えています。

東南アジアでは各国のニーズにあった電弧棒の新商品開発を進めていますが、日本が数十年前に経験したワイヤ化の流れも徐々に進んでいます。日本で培った活動を基盤として、技術サービスを展開、ニーズを把握し、そのうえで開発を回す活動をより強化していきます。当社材を使用いただくことで半自動溶接のメリットやお客様の溶接品質向上をご理解いただきながら、現地でのプレゼンスをさらに高めていきます。

そうした中、溶接技術管理者の不足するベトナムにおいて、当社グループは東南アジア唯一の溶接学科をもつハノイ工科大学、大阪大学と、国内溶接材料メーカでは初となるベトナムでの国際産学連携共同研究を開始しました。ベトナムに駐在員事務所を構え、昨年創立50周年を迎え開発拠点をもつタイ・コウベ・ウエルディング社も参画し、ベトナムでの半自動施工技術の発展と同地での売上拡大を図ります。

また、鉄骨ロボットシステムのPR活動を従来より展開している北米をはじめ、汎用材以外のウエイトも大きい欧米は、当社がパフォーマンスを発揮できる市場と考えています。本中期後半の2か年でさらに注力し、市場の確保・拡大を進めます。

昨年、初めて神溶会の各地区総会に参加させていただきました。そこで、BEYOND GENERATIONSキャンペーンの取組みを伺い、地区により主要需要業種が異なるなか、重点商品の順位付け、拡販のポイントや評価、また同一銘柄でも製品径や重量のトレンドが微妙に異なることに改めて関心を抱きました。

地域ごとの声をしっかりくみ上げ、開発・ものづくり・商品とサービスにつなげていくためにも、お客様と密着した営業活動を展開されている神溶会の皆様との連携は欠かせません。本年はアジアナンバーワンへの道筋を支える、国内でのマーケティング活動をより深堀したいと思います。

溶接材料、溶接ロボットシステムだけではなく「より良い溶接」を実現することが当社の目指すところです。そのためにも、皆様方のご意見をもとに、お客様の品質・生産性向上につながる溶接材料・ソリューションアイテムの開発、技術サービス活動の強化、さらには製品の安定供給に努めてまいります。

30年間つづいた「平成」では、低ヒューム・低スパッタのフラックス入りワイヤ「Zシリーズ」、環境に配慮したSEワイヤ、溶接サポーター制度、キャラバンカーなど、ご愛顧いただいている各種アイテムが誕生しました。

新しい令和においても、溶接・接合業界に新しい風を吹き込む商品・サービスを神溶会の皆様方とともに創り上げていきたいと思います、よろしくお願いいたします。

新元号の幕開けを今日お集まりいただいた皆様とともに、会員各社様益々のご繁栄と、皆様方の益々のご健勝を祈念し、挨拶に代えさせていただきます。

営業概況報告

有園 博行


神溶会会長
株式会社神戸製鋼所
溶接事業部門
マーケティングセンター長
兼 国内営業部長
有園 博行


平素は神溶会活動に対し、会員の皆様から深いご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。全国の営業概況を報告させていただきます。


1.業種別景況感と需要動向

下のグラフは、国内で販売される溶接材料の需要を、全メーカの出荷量と輸入材の通関統計から試算した半期ごとの数量推移です。

戦後最長と言われる景気回復が始まって以来、2013・2014年度の半期14万トン台から、前回の消費増税以降2015年、2016年度には13万トンを切るまで低下しましたが、昨年後半以降は、再び14万トンレベルに復活しました。2018年の秋以降、特に鉄骨ファブの稼働が上がったと良く耳にするところです。


(1)鉄骨

鉄骨向の溶材需要予測は、鉄骨加工重量の統計を参考にしています。2016年以降はほぼ年間で500万トンを超えるレベルで推移しており、2019年も同水準と予想しています。工事案件自体はずっと順調にあるとのことですが、人手不足、コラムやボルトといった資材の調達難、設計図面の遅れなど、マイナス要因が常についてまわる状況がここ数年続いています。

鉄骨業界誌には、コラムの調達難が緩和されたというような記事もありました。工事案件が豊富な中でも、稼働の足かせとなる様々な要因のある中で、繁忙期・端境期も出てくるようです。

この春あたりでは稼働減という感はまだありませんが、この超繁忙は一時的であり、2019年後半には2018年前半並みに戻ると現時点では予測しています。但し、工事案件は年間520万トンレベル、半期で260万トンあるなかで、一時的な端境期と考えております。


(2)造船

船舶受注は2016、2017年と極端に低迷したものの、2018年にはバルカー・貨物船を中心に若干回復の兆しです。竣工量も船種の構成変化もあり昨年よりは増加したものの、まだまだ楽ではない状況が続いています。専業および中小ヤードの多くは線表を確保しているものの、大手重機造船各社では2019年度でさらなる業績悪化が懸念されます。


(3)自動車

2014年の消費増税以降、2015・2016年と低迷した生産台数も、2018年は976万台と3年連続で対前年比増が見込まれます。昨年度は新型車、特に軽自動車が好調、輸出も北米中心に好調が持続しました。

2019年度は10月の消費税増税の影響をどれだけ考慮するかですが、例年生産が増加する下期も今年は減少すると予想しています。年間では、新型車販売の一巡、輸出の漸減などにより、生産台数を前年比微減の970万台と予想しています。


(4)建設機械

2018年度は一昨年の排ガス規制の反動から回復し、輸出も好調でした。足もとは、国内建機各社とも設備投資計画が旺盛であり、懸念される中国市場の減速影響も不透明ながら軽微なものとみております。


(5)業種別景況感のまとめ

建築鉄骨は一時的な繁忙の山がありますが、2019年度も好調維持、造船は建造船種の変化で工事量は若干のアップと、各業種とも総じてプラスでみていますが、年度後半での、建築鉄骨の動向、造船の受注状況、自動車での消費増税の反動影響が懸念されます。


(6)溶接材料需要のみかた

これらより、溶接材料の国内需要は最大需要業種の鉄骨が溶材需要全体を牽引し、2019年度通年では276千トン、前年度比2%アップと予想しています。


2.2019年度重点活動

(1)安定供給確保への取組

昨年は、夏場の地震、豪雨と相次ぐ自然災害により、国内の3工場で生産停止を余儀なくされました。中でも、福知山工場のソリッドワイヤは、鉄骨向の需要が急増する中で、大変ご迷惑をお掛け致しました。商社の皆様方のご協力により、何とかユーザさんへのご迷惑も最小限にとどめることができました。ありがとうございます。

現在、需要旺盛な鉄骨・自動車向ラインの設備増強を順次進めているところです。引き続き皆様にはご理解とご協力をお願い申し上げます。


(2)価格改定

原材料である線材、薄板のコストアップが最大の要因ですが、今回は鉄鉱石・石炭市況など鉄鋼原料はそれほど上がらず、需給がタイトとなった鉄鋼製品のみが高騰しています。高炉メーカ各社は、2016年からの3か年累計でトン当たり約3万円の値上げを段階的に進めており、私どもも同様にコストアップしています。

さらに、フラックスの原料である合金原料の市況、さらには、副資材、輸送運賃の高騰が拍車をかけています。特に、輸送運賃は、最近の宅配業界の値上げに代表されるように社会問題化しています。ドライバーの不足、働き方改革による物流効率の悪化等々は当面続くであろう深刻な問題です。

溶材製品の値上げ浸透につきましては、我々メーカも、紐付ユーザへの交渉を精力的に重ねているところです。工業製品のみならず、さまざまな消費財の値上げ、鉄骨のハイテンボルトに代表されるように諸資材の品不足など、様々な製品、サービスの値上げが進む中、お客様のご理解を得るべく進めてまいります。神溶会の皆様の引き続きのご理解・ご支援をお願い申し上げます。


(3)拡販キャンペーンフォロー活動

先般のキャンペーンは、需要堅調な建築鉄骨向をターゲットとし、人手不足、生産性向上に対する新商品の提案活動や同行PR、そして、溶材・鉄骨ロボットの勉強会を通じて、神溶会会員各社様での営業力強化を狙ったものです。

神溶会の拡販キャンペーンは、期間中の拡販量だけでなく、それぞれの神溶会代理店の皆さんに、まずPR先となるターゲットユーザをご紹介いただくことが目的です。今回、全国で2,798社のユーザを登録いただきました。新製品では、ソリッドワイヤと共に、溶接の効率化に寄与する鉄骨専用FCWで『特長が判りやすく売りやすい』といった声を神溶会の営業マンの皆様からいただき、拡販につなげることができました。

また、これまでは溶接材料中心の勉強会・講習会を進めて参りましたが、今回のキャンペーンでは溶接サポーター制度にロボットシステム編を新設しました。

鉄骨ロボットのPR・営業活動に加え、鉄骨ロボットのメンテナンス・アフターフォロー編である『鉄骨システムアドバンスドコース』を開催、全国で16社32名の方が合格されました。

2019年度もターゲットユーザへのPR・提案活動を継続してまいります。また、鉄骨ロボットは、電弧棒、MG、FCWに続く神溶会での重要な取扱い商材となりつつあります。今後、さらに自動化が進む鉄骨ファブから頼りにされる営業マンの育成に向けて、溶接サポーターのロボットシステム編を通し、引き続き取り組んでまいります。


(4)重点商品と商品企画

現在の溶接における課題は2点です。

ひとつには、現在、国内のものづくり最大の課題である、人手不足を背景とした生産性向上であり、さらには、海外勢との格差技術・高品質化、この2つと考えています。

人手不足に関しては、外国人労働者の受け入れ拡大を目的に入国管理法が改正されたことはご存知かと思います。将来的に大幅な労働力不足が予測される特定産業において、一定レベルの技能を認められた外国人を受け入れる制度です。この特定産業には代表的なものでは、介護や外食産業、製造業では建設と造船業が指定されています。

この人手不足の中での商品企画。まずは、建築鉄骨関連です。

REGARC™鉄骨ロボットシステムは堅調な販売が続いており、鉄骨ロボットシステムの新規引合に対しても、現在納期面でご迷惑お掛けしております。さらに、昨年、鉄骨溶接における自動化適用箇所の拡大に向けて、天吊梁溶接システムも提案ラインナップに加えました。

鉄骨向けのFCWでは、FAMILIARC™MX-50K、FAMILIARC™MX-55Kを上市致しました。FCWの低スパッタという特性に、ソリッドワイヤ並の溶込みを加えたものです。従来半自動溶接で、突合せ/すみ肉でワイヤの使い分けをしていたところにも、一つのワイヤで溶接できることを特長としています。

小型可搬型ロボット「石松」はおかげさまで、事業統合以降も順調に販売を伸ばしています。

2018年度の売上のうち、更新・増設以外に、新たに石松を導入したファブは7割を超えており、鉄骨ファブの自動化ニーズの高さが伺えます。

2018年には、REGARC™プロセスを搭載したバージョンの受注を開始しました。さらに、第二弾としてケーブルレス石松の受注をこの4月に開始しました。今後、REGARC™プロセス搭載「石松」のケーブルレス化や、当社のロボットシステムとの技術の融合を進めることで、建築現場建方はもちろん、造船分野などでの多々あるニーズをくみとり、さらなる自動化提案の拡充を進めてまいります。

至近、自動車業種を中心とした薄板分野で、低スパッタ化を目的として、電流、ワイヤ送りの細かな制御技術を用いた、『送給制御方式』と呼ばれる溶接施工法が増加傾向にあります。

送給制御方式のロボットは、各電源・ロボットメーカが販売していますが、チップ摩耗が大きな課題となっており、この課題を解決するFAMILIARC™MG-1T(F)を2018年に上市しました。送給制御方式のロボットは、自動車以外に加え製缶、板金、軽量鉄骨でも導入されており、幅広く提案を進めてまいります。

もうひとつの自動車の取り組みとして、至近、カーメーカであるマツダさんと、足回りの部材溶接に関する、溶材・溶接プロセス開発を共同で進めてまいりました。足回り部品における錆発生の要因の一つであった溶接スラグを制御するハイアルゴン溶接を共同開発し、量産車での採用にこぎつけました。もともとは技術相談から始まったマツダとの取り組みが新たなシェア参入に至っております。

最後に、新たな『神鋼溶接情報ツール』をひとつご紹介させていただきます。このたび、「KOBELCO WELDINGアプリ」を開設致しました。これまでもパソコンのホームページなどでご覧いただいていた内容に加えて、より多くの情報をお手元のスマートフォンでどこでもご覧いただけます。

弊社製品に関する赤カタログをはじめとした商品パンフレット・カタログの閲覧、さらに各種認定書がスマートフォンひとつで検索できます。また、動画を使った製品紹介や簡単な溶接講座をご覧いただけます。そして新たにQRコードを活用した各種検索機能をご用意しております。

溶材製品の外装・内装箱に印字されておりますQRコードをスマートフォンで読み取ることで、その製品のカタログ、各種認定書・証明書を閲覧できます。

QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。

また、こちらのメニューは、溶接の技術相談で多い、溶接材料の所要量、入熱量、予熱温度が、その場で計算できる便利ツールです。

さらに、動画ソフトYouTubeにて、新商品のPR、溶接技術講座を配信することも企画しております。具体的には、溶接スプールのセッティング方法やソリッドワイヤとFCWの比較などを予定しており、動画ならではの分かりやすさを、営業マンの皆さんに提供して参ります。

神溶会も創設68年を迎えます。この間、日本のものづくりのニーズは移り変わり、それぞれのニーズに応じた溶接製品を開発し、そして、神溶会による新製品の市場浸透活動として、キャンペーン活動を行ってまいりました。『電弧棒の時代のゼロードキャンペーン』、『お先にワイヤ・FCWの踏み分け道づくり』、『スムーズ&エコロジーのSEワイヤ』。時代のニーズにこたえる商品と、それに関連した提案活動の中に、高い・安いという価格だけではない、ユーザさんと向き合うひとりひとりの営業マンの、本当の価値を認めていただけるチャンスがあると思います。

建築鉄骨に代表される、堅調な需要の一方で日本のものづくりには、『人手不足』という大きな課題が立ちはだかる、これが現在の取り巻く環境です。これからの溶接事業は、溶接ワイヤといった材料だけでなく、それをどう使うのか、『自動化装置』も含めた溶接全体をソリューションとして考え、メーカとして必死になって開発して参りますし、さらに、神溶会の皆さんと共に市場へと浸透させていく、この活動サイクルをいっそう強化して参ります。

令和の時代、そして神溶会組織は70年から、さらに80年を目指します。新しい時代の「溶接」の技術浸透と、それに携わる人材の育成に今後とも注力して参ります。



ご挨拶(抜粋)地区指定商社代表

𠮷澤 雅一 様
日本通酸株式会社
代表取締役社長
𠮷澤 雅一 様

さきほどの営業概況報告で、我々の業界を取り巻く環境は、特に建築鉄骨がこの2019年度でも520万トンレベルを維持し、自動車も970万台レベル、造船は工事量を若干戻しつつあるとのこと、我々の業界にフォローの風が吹いていると感じております。

神戸製鋼さん、溶接材料のトップブランドであり、鉄骨溶接ロボットのトップメーカでもあります。オンリーワンの、スーパー汎用品といえるような溶接材料、溶接装置・ロボットを今後ともどんどん開発していただき、我々の商売の一手にできればと思っております。

我々を取り巻く環境のなかでは、労働人口不足が大きな問題となっています。製造現場ではいかに機械化するのか、IoT/AIを活用し人に代替していくかを真剣に考えられておられます。お客様のご要望のレベルが上がり、難題化しています。我々も十分に情報をキャッチしながら、神戸製鋼さんとともに、新たな製品の販売に努めたいと思っております。

神戸製鋼様におかれましては、我々神溶会の販売力を強化するために、10年前より溶接サポータ制度・業種別マイスター制度を展開され、我々の地力強化に尽力していただいております。このように製販一体となった神溶会を、ますます強化していきたいと考えております。

先ほどの講演で「人間の細胞は、二年間で新たに活性化する」とのお話がありました。ちょうどあと二年で神溶会70周年という節目がまいります。「神戸製鋼製品をますます売るぞ」と毎日歯を磨きながら頭の中でつぶやいていただきますと、細胞が活性化されて、神溶会70周年には良い結果が出るかと思います。どうか皆様、ご協力のほど、よろしくお願い致します。

最後になりますが、神戸製鋼様ならびに神溶会会員各社のますますのご発展と、本日ご列席の皆様方のご繁栄、新しい令和の年に羽ばたき成功されることを祈念し、ご挨拶とさせていただきます。

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