宮城県の沿岸地域に位置する松島は、日本三景のひとつにも数えられる風光明媚な景観で知られています。特に秋には、紅葉に染まった木々と松の緑が織りなすコントラストが、周囲の小島に美しく映えます。松島とは、湾内外に浮かぶ260 余りある島々の総称です。氷河期以降、地殻変動による丘陵の一部沈下と温暖化による海水面の上昇が起き、山や丘の頂上部分が海面に残り島となりました。
マツの生えた島々を持つ静かな湾と、湾を囲む丘陵が織りなす風致景観は、平安時代から陸奥の歌枕として多くの歌に詠まれ、都の人々の憧れの地となりました。中世には円福寺・雄島を中心に霊場として信仰を受け、松尾芭蕉の『おくのほそ道』によって全国に紹介されてからは、文人を中心に多くの人々が訪れることとなりました。
大自然が生み出す壮大な景色、歴史あるお寺や遺跡地や地域独特の海産物など、松島の魅力は世代や国を問わず人々を魅了し続けています。