2022年5月16日(月)神戸ポートピアホテルにて、全国各地より商社、地区指定商社、指定代理店、倉庫会、報道関係者の皆様にご参加いただき、当社幹部および関係者含め総勢330名で開催されました。当初開催予定より、約1年延期になっておりましたが、ようやく開催することができました。
今号では、神戸製鋼所代表挨拶、特別報告、地区指定商社・指定代理店挨拶、商社代表挨拶の挨拶をされました方々を中心に掲載(抜粋)させていただきます。
(式次第順掲載)
株式会社神戸製鋼所
代表取締役社長
山 口 貢
本日の記念総会に全国から多数お集まりいただきましたこと、また常日頃から神溶会へ多大なご支援・ご協力をいただいておりますことに心よりお礼申し上げます。
神溶会は、昭和27年の発足以来、溶接材料の販売に留まらず、溶接技術の普及・向上に努めてきました。
そして、溶接業界における国内最大規模の販売組織となり、本年、大きな節目である70周年を迎えることができました。
これは偏に、溶接事業を長年にわたり支えてくださいました皆様のご協力の賜物です。
この70年間、グローバル化の進展や国内外における競争激化など、目まぐるしい環境変化に見舞われましたが、多くの皆様のご尽力と神溶会の誇る強固なネットワークや技術営業力で乗り越えてきました。
これからも、神溶会の皆様とがっちり手を携えて新しい時代を切り開いていきたいと思います。
さて当社グループは昨年、2023年度を最終年度とする新たな3か年の新たな中期経営計画を策定し、「安定収益基盤の確立」と「カーボンニュートラルへの挑戦」に取り組んでいます。
鉄鋼事業や電力事業を持つ当社グループにとって、特に「カーボンニュートラルへの挑戦」は容易なものではありません。
しかしながら、多様な事業を営む我々であるからこそ、幅広い技術・製品・サービスを融合し、ソリューション提案力を磨き、社会的要請や産業構造の変化に対応することにより、社会課題を解決し、持続的に成長していくことが可能であると信じています。
そして、お客様や社会にとってかけがえのない存在であり続けたいと思います。
また、溶接事業につきましては、「材料」「ロボットシステム」「電源」「施工法」を有する国内唯一の事業体として、溶接ソリューションを提供することにより、人手不足への対応や高能率化・高品質化をはじめ、お客様の課題の解決や事業の高度化に向けて益々重要な役割を担っています。
素材系・機械系・電力といった多様な事業を展開する当社グループにおいて、ものづくりのキーテクノロジーである溶接事業・溶接技術を保有していることは大変意義深く、今後も「世界で最も信頼される溶接ソリューション企業」として、国内外におけるプレゼンスを高めていく所存です。
10年前、60周年記念式典の場で、当時の当社社長であった佐藤がこう述べています。
事業経営には幾つかの大事な「S(エス)」がある。
「Safety(安全)」
「Social Responsibility(社会的責任)」
「Synergy(シナジー・事業間の相乗効果)」
「Service(サービス)」などの「S(エス)」である。
しかし、当社の溶接事業にとって
最も大切な「S(エス)」は
「神溶会」の「S(エス)」である
と、述べました。
私はこれに当社グループの経営方針である「Sustainability」の「S(エス)」を加え、持続的に成長する神溶会を目指したいと思います。
感染症の拡大や国際紛争による資源・資材価格の高騰など、外部環境は絶え間なく、また激しく変化しています。
当社グループとしましては、信頼される技術・製品・サービスを提供し、お客様とのコミュニケーションを積み重ね、神溶会の皆様と明るい未来を実現していきたいと心から願っています。
最後に、神溶会の今後の益々の発展と、本日ご参集いただきました皆様のご健勝を祈念しまして私からのご挨拶とさせていただきます。
株式会社神戸製鋼所
執行役員
溶接事業部門長
末永 和之
今年4月より、溶接事業部門長に就任いたしました。
神溶会70周年記念全国総会に日本各地から多数お集まりいただき、厚くお礼申し上げます。
神溶会は創設70周年を迎えます。これも偏に全国の会員皆様の、また各社幾多の先輩方々の長年に亘るご支援の賜物と改めて深く感謝申し上げます。また、70年もの歳月に亘り、これまで先達が積み上げてこられたさまざまな活動実績の重さを感じずにはいられません。
神溶会活動の歴史を私なりに振り返りますと、「品質・技術」、「信頼」、「人材」、「情報」これら4つのキーワードでお客様と神溶会と当社が結び付き、神溶会という組織が成り立っていると感じております。
1点目の「品質・技術」では、溶接事業部門は従前より「品質を経営の柱」に据えた活動を行っております。この活動は、お客様の要求事項・ニーズを満たした製品、サービスを提供し、お客様の満足度を向上し、その中で継続的な改善を図ることを目的とするものであります。これからも高度な製品・技術・サービスの提供を通じて、お客様のものづくりに貢献し続けていく所存であります。
2点目の「信頼」では、お客様のものづくりの課題解決に貢献できてこそ信頼を獲得しうると考えております。粕谷、輿石、山本と受け継いで参りました「世界で最も信頼される溶接ソリューション企業」を追及するという思いは、私が事業部門長に就いても揺るぎはありません。「KOBELCOブランド」への信頼というお客様や神溶会の皆様のご期待に応え続けることが、私どもの責務と思っております。そしてこの我々の思いを乗せた商品を市場に広く深く浸透いただくことが、流通販売組織としての「神溶会ブランド」なのだと思います。
3点目の「人材」では、何をやるにしても最後は人が動かないことには物事は進まず、「人」がすべてであると考えます。私は神溶会のシンボルマークに示された神溶会の理念~紫の「伝統」に、赤の「改革」を加え、金色の「繁栄」を実現していくという理念は、時代や世代を超えて受け継がれていくべきものと思っています。神溶会がこれまで歩んできたように、誠意を持って人と接することを大事にし、「営業力の強化は人材育成から」という神溶会の伝統をしっかり守っていくことが大切です。
4点目の「情報」では、近年、デジタル技術の進歩は凄まじく、DX(デジタル・トランスフォーメーション)も大きく注目されています。タイムリーな情報収集、的確な情報伝達、お客様ニーズの掘り起こしという新しい技術開発・適用に至るまでの双方向コミュニケーションが重要と考えておりますが、神溶会にはこの間を取り持っていただく非常に大きな役割があると思います。当社の持つ溶接材料、溶接ロボットシステム、溶接電源、溶接プロセスを、DXとともに上手く組合せた溶接ソリューションとして展開することで、時代をリードし社会に貢献していく企業であり続けたいと思います。今後も世界でさまざまな環境変化が予想されますが、柔軟、かつタイムリーに対応を行い、「品質を経営の柱」とし、「世界で最も信頼される溶接ソリューション企業」を追求するという溶接事業部門の経営ビジョンの実現に向け社員一同取り組んで参る所存です。
これからも、「品質・技術」、「信頼」、「人材」、「情報」という神溶会のキーワードを大切に、社会やお客様の課題解決、溶接品質向上、生産性向上、環境対応などのニーズにしっかり応え、神溶会との結び付きをさらに強固なものとし、次の10年、20年の飛躍に繋げて参ります。今後とも変わらぬお付き合いを頂戴したく、よろしくお願い申し上げます。
最後になりますが、神溶会各社の益々のご発展と、皆様方の益々のご健勝を祈念し、私からのご挨拶に代えさせていただきます。
神溶会会長
株式会社神戸製鋼所 溶接事業部門
マーケティングセンター 国内営業部長
広崎 成一
神溶会が今年の9月に70周年を迎えるにあたり、前半は、神溶会がどのようにしてできたかという歴史についてと、後半はこれからつなげる未来に向けての取り組みについて、お話をさせていただきます。前半の神溶会の発足につきまして、神溶会ができる40年前に遡ります。現在から約110年前の大正2年に我が国に初めてアーク溶接技術が導入されました。当初我が国産業界は輸入棒に頼っておりましたが、大正14年頃から国産化が始まりました。海軍より当社に輸入材以上の性能の溶接棒の開発要請があり、昭和15年に手塗りのB-2を完成、そして昭和17年に我が国初の機械塗装で現在も看板商品であるB-17を完成させました。月日が流れ、昭和25年に統制経済が解除され、一般向けにあらたな流通顧客開拓が必要でした。販路を拡大するために、当時の代理店は、各地で有力な瓦斯屋、溶材商、工具商を傘下に収めていきました。販路の拡大にあたり、販売ルートの統制を取るために、昭和27年9月に大阪で神溶会が誕生しました。その後、全国のルートを整備し、代理店部会6社 各地の特約店部会35社 合計41社にて発会式を行い今日に至ります。
続いて後半は、未来にどのようにしてつなげていくのか、取り組みをお話し致します。
神溶会マークにあります伝統の紫、変革・改革の赤、その結果として繁栄の金ですが、この不変の精神は決してぶれることはなく、伝統の継承と変革について、ご説明致します。
まずは伝統の継承一つ目は、神溶会不変のテーマでもある、溶接業界を担う人材の育成です。2004年から始まったサポーター制度はその柱として、従来の制度を継続して行きますが、今後さらに2つの企画を実施致します。1つ目は、新入社員、新人営業マンの方を対象にビギナーサポーター講習を、2つ目は、サポーター資格を有している方々への更新プログラムの講習を開催致します。また、当社の看板製品であるZ-44は以前、商標の問題でZERODE-44からZ-44に名称変更しておりましたが、この70周年を機に元のブランドに戻すことになりました。本年下期以降 再びZERODE-44が復活致します。『変革』では、溶接材料と溶接システムの営業を兼務するマルチタスク営業化=二刀流を実施しています。ワンストップ営業で顧客対応の迅速化、施工トータルでの提案の幅を広げる営業活動を行い、顧客満足度を高めていきます。
株式会社神戸製鋼所 溶接事業部門
技術センター長
井上 芳英
鉄骨分野 溶接自動化への挑戦 ~ 新しい時代に向けて~と題し、過去の溶接ロボットシステムが、どうして普及してきたか、年代を追って説明させていただきます。以前は、H鋼で柱を施工することが主流でしたが、産業ロボットの普及とともに、コラム柱へシフトして行きます。各時代背景により、溶接工不足の付加的手段、他社との差別化、品質向上のニーズ、生産性向上のニーズと各年代で、お客様のニーズが異なり、より高度なニーズになって来ています。溶接ロボットシステムのさらなる稼働率向上は元より、溶接の後工程のスパッタ除去作業を減らしたいとニーズも変化しています。そこで、当社は、革新的な炭酸ガスアーク溶接プロセスであるを開発し、それを搭載した鉄骨システムを発売しました。
このを使うことにより、低スパッタ・低ヒューム・高能率という3つの効果があります。また、市場に広く浸透させていただいた要因は、神溶会の方々とお客様とのつながりによって、価値を認めてもらったことが、大きいと考えています。この4月にさらに効率が上がるの販売開始をしており、お客様にとって非常に魅力的な製品になると考えています。
高松帝酸株式会社
代表取締役社長
太田 賀久 様
神溶会70周年、誠におめでとうございます。さて、昨年の年末に発表されました漢字一文字は『金』でした。東京オリンピック・パラリンピックでは多数の金メダリストや大谷翔平、松山秀樹、藤井聡太らが残した金字塔によるものだろうと思っています。神溶会70周年の漢字を考えてみました。『繋』で如何でしょうか。その心は三つあります。『ものを繋ぐ』、第二は、『人を繋ぐ』、第三に『時代を繋ぐ』ではないかと考えております。まず、ものを繋ぐについて私は、昭和62年にアメリカ西海岸のビジネス視察旅行に参加し、そこで大型家具店を訪問しました。当時の日本の家具屋は、狭い通路に色々な家具を山積みにしていましたが、広いスペースに家具、じゅうたん、壁紙、絵画がコーディネートをされていました。その家具店の社長は、「我が社は家具を販売しているのではない。快適な住空間を提供している。顧客が欲しいのは、『モノではなくコト』なんだ」と言われました。私たちは、溶接材料、ロボットなどのモノの販売を通じて、お客様に『繋』というソリューションの提供が、必要なのではないでしょうか。次に人を繋ぐについては、『お先にワイヤ』キャンペーンで私共は、提案営業を実施し、実績を上げ、平成3年に地区指定商社に昇格をすることができました。神溶会40周年の記念総会の年であり、この神戸ポートピアホテルで未来への誓いのスローガン唱和を当時の若手30名で行いました。以来30年間、全国総会に参加し、同じ経営課題を抱える者同士がつながり、今でも公私に渡るお付き合いが続いています。最後に時代を繋ぐについては、70年間の歴史を繋ぎます。中国のことわざでは、水を飲むとき、井戸を掘った人を忘れてはならない、と言います。幾多の苦難を乗り越えて、現在の神溶会を築きあげていただいた諸先輩方に感謝をしたいと思います。現在は2050年カーボンニュートラルに向けた大転換期を迎えており、材料分野では、高張力鋼、複合材料、アルミ、マグネシウム合金、チタンなどによる軽量化の促進が近々の課題となっています。ドラッカーの言葉に『変化はコントロールできない。変化の先頭に立つことだけである。』のように最先端の繋げる技術を、強い絆で繋がっている神溶会のもとに、フロントランナーとして、80周年、そして100周年と時代を繋げて行くことが、我々の役割ではないかと考えています。皆様とともに頑張って参りましょう。
岩谷産業株式会社
代表取締役
社長執行役員
間島 寛 様
歴史ある神溶会が記念すべき70周年を迎えられましたこと、心からお祝い申し上げます。
さて当社は、昭和5年に酸素、カーバイド、溶接材料の取扱いから事業をスタート致しました。その後、工業ガス、溶接機材そしてLPガスを軸としたエネルギーを中心に、事業を展開して参りましたが、一昨年おかげさまで創業90周年を迎えました。その中で、神戸製鋼所様とのお付き合いは、約70年に及びます。実は戦後、当社は他社メーカさんの溶接棒を販売しておりましたが、岩谷産業が溶材商として飛躍していくためには業界トップの神鋼棒の代理店にならなければという、創業者の強い思いから神鋼棒を取扱うことになったいきさつが、当社の中でずっと受け継がれております。昭和30年に神溶会の代理店に登録していただいて以降、事業を拡大し、まさに神溶会とともに会社の歴史を刻んで参りました。
私事ですけれど、私は大学で、溶接工学を専攻しておりましたが、就職にあたり、溶接分野の技術者としての将来が、中々イメージができず、結局、岩谷産業に入社を致しました。入社の前に当時の人事部から配属希望を聞かれ、その時に溶接の分野以外ならどこでも結構です、と回答したのですが、大阪のど真ん中の溶接棒課に配属をされました。その後、広島支店でも神鋼棒を担当し、1995年にベトナムのハノイに勤務した際には、日本だけではなく、タイ、シンガポールの神戸製鋼所の皆様に本当にお世話になりました。今日、ここでご挨拶をさせていただけるのも神戸製鋼所様のおかげと、本当に感謝の思いを新たにしております。世界に誇る日本のものづくりの強みが、現場で技術を進化させる力、すなわち、現場力にあります。溶接もまた、その現場とともに発展してきており、それはまさに神溶会の歩みだと言えます。現場とともに歩んできた中で、神溶会の取り組みは、常に業界の先駆けとなり、その範となって参りました。いつの時代も溶接はものづくりにおける基盤技術でありますが、現在、世界的なカーボンニュートラルの動きの中、我が国のものづくりも大きな変革期を迎えています。それに対応した溶接技術の革新や製品の開発が、まさに求められています。その課題に真正面から取り組み、先んじて答えを出せるのは、世界で最も信頼される溶接ソリューション企業である神戸製鋼所様で他ならないと確信をしております。我々は、新たに生み出される技術や製品を、神溶会で培った高い専門性、現場力、営業力を持ってお客様に届けることこそが、大きな使命であり、役割だと考えています。神溶会は、我々商社と代理店によって創設された組織であり、この先も日本のものづくりを支える溶接専門集団として、この神溶会を10年後、20年後、そして100周年へと繋げて行かなければなりません。これからも日本のものづくりに対し、会員各社様と一緒に求められる役割を担い、一丸となって前進して参りたいと思います。神戸製鋼所様には今後とも一層のご指導、そしてご支援のお願いを申し上げます。最後になりますが、神戸製鋼所様の益々のご繁栄と神溶会会員各社様のご発展を祈念致しまして、私からのご挨拶とさせていただきます。
福豊帝酸株式会社
代表取締役社長
宮嶋 寛幸 様
この度、㈱神戸製鋼所殿はじめ多くの関係各位の絶大なるご支援を賜り、地区指定商社への昇格のご承認を賜りまして、衷心よりお礼申し上げます。
さて今年は、昭和27年(1952年)の弊社創業の年から70年目にあたり、奇しくも神溶会誕生と全く同じ年の創業になります。今回このように伝統ある地区指定商社にご指名いただけたのも、創業者の志や歴代社員の70年にわたる努力、また地域のお得意様や多くの関係各位のご支援が積み重なった結果、得られた栄誉ですので、何か因縁めいたものを感じます。
これからも神溶会と同じ年数を歩んでいく私どもですが、その縁を大切にし、またその名に恥じぬよう、精進して参る所存ですので、皆様の変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。