Mail from Singapore

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シンガポールのKobelco Welding Asia Pacific Pte.Ltd.(KWAP)に駐在している池田と申します。KWAP社は1979年に設立され、主に炭素鋼用被覆アーク溶接棒の製造・販売を行っています。東アジアとヨーロッパをつなぐ立地に目を付けた東インド会社のラッフルズ卿がシンガプラ島(現在のシンガポール)に上陸してから2019年はちょうど200年の節目にあたります。その後イギリスの植民地として東南アジア有数の貿易港に発展したシンガポールは1965年のマレーシアからの分離を経て、建国の父リー・クアンユーによる指揮の下、世界で稀に見る急激な経済成長を遂げました。今年は「近代シンガポール」200周年としてさまざまな記念イベントが開催されています。

シンガポールは東京23区と同程度の面積に中華系、マレー系、インド系移民とその子孫を中心に、私のような外国からの駐在員や出稼ぎ労働者も多く住む多民族国家です。年間を通して気候が安定し地震や台風などの天災がほとんどなく、地下鉄やバスなど公共の交通機関が非常に発達しています。また公用語の英語がどこにいても通じ、国内に魅力的な見どころが点在することから、世界中から多くの観光客が訪れます。がっかり観光スポットとも揶揄されるマーライオン像ですが、対岸には特徴的な形をした高層ビル、マリーナベイサンズが建てられ、ベイエリアとしての魅力は尽きません。2018年に歴史的な米朝会談が開催され世界から注目されたセントーサ島はテーマパーク、水族館、カジノ、ゴルフコースなど島全域が遊戯用に開発され、年中たくさんの人で賑わっています。

ラッフルズ上陸から200年を迎えたシンガポール
ラッフルズ上陸から200年を迎えた
シンガポール
特別ライトアップされたマーライオン
特別ライトアップされたマーライオン

コンパクトなシンガポールでの生活は大変便利です。あえて苦労することと言えば、衣・食・住のうち「食」でしょうか。多民族モザイク社会であるシンガポールでは、さまざまな国の料理を手軽に味わうことができますが、高温多湿な気候が理由でしょうか、味つけが濃く化学調味料がふんだんに使われる傾向があるので、料理の味がどれも似かよってきます。外食に頼りがちな単身赴任の身にはそこが難点です。

シンガポール人が自身の気質を表す言葉として「KIASU, KIASI(キアス、キアシ)」が挙げられます。表現が難しいのですが「失敗しないようにリスクを敬遠しつつも、何とかして利益は得ようとする」ちゃっかり気質を表しています。自虐的に使われる場合が多いものの、この気質がシンガポールの発展に一役買ったことは言うまでもありません。多様な出身国や民族から成るスタッフと業務を進めるなかで、お互いの気質の違いを感じることは多いですが、それもまた海外で働くことの楽しみでもあり、私も「KIASU, KIASI」精神を取り込んでいこうと思います。


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