4月25日(水)~28日(土)の4日間、東京ビッグサイトにて日本国内で最大の溶接・接合専門技術展示会2018国際ウエルディングショーが開催されました。今回の主催者テーマは「溶接接合技術がつなぐ ものづくりと人づくり」。過去最大規模の247社・団体が出展し、期間中の来場者数は100,428名(主催者発表)とリーマンショック後最大でした。
当社は「KOBELCO -Your Best Partner ~世代を超え、未来を拓く溶接ソリューション」をキャッチフレーズに、お客さまの「ものづくり」を支える溶接システム・溶接材料・施工法の実演やパネル展示を行いました。写真を交え、当社ブースの模様をお伝えします。
当社ブースでは、造船・建設機械・鉄骨向け溶接ロボットシステムを実演。溶接の自動化が喫緊の課題である中、初日最初の実演から多くの来場者においでいただきました。
造船向けでは、「造船大組立溶接ロボットシステム」を実演。自動化が困難な大組立工程のロボット化を実現した、小型ロボットARCMAN™ A30S、設計用3DCADのデータを活用する自動教示システム、耐ギャップ性に優れ立向上進溶接の高速化を可能にする専用ワイヤ[F]DW-100Rを紹介しました。建機向けでは、新大型ロボットARCMAN™ A80にて、専用フラックス入りワイヤ[F]MX-A100Dとの組み合わせで高能率・深溶込み・低スパッタを実現する大電流MAGプロセスを実演。新機能のレーザギャップセンシングは短時間でギャップ変動をセンシング、溶接条件を自動修正し、美しいビードを実現。多くの来場者の目を引きました。「鉄骨梁溶接システム」は、専用ポジショナと回し溶接機能でスカラップ内を含めすべての溶接線に適用可能。[F]MX-Z200MPの低スパッタで美しいビード外観は、海外来場者を含め多くの方の注目を集めていました。
鉄骨向けでは、REGARC™ プロセス搭載「石松」を実演、鉄骨仕口溶接での低スパッタ溶接を実演しました。定電圧溶接とのアーク音やスパッタ量の違いに来場者は驚きの声を隠せず、実演終了後テストピースを見つめる方、コベルコROBOTiXの説明員に矢継ぎ早に質問される方が多数おられました。
パネルコーナでは鉄骨、自動車、造船、エネルギー、建設機械の業種ごとに、自動化・高能率化などのニーズに応える溶接材料・プロセスを紹介。特に、2020年東京オリンピックを控え活況を呈する鉄骨向けに、ソフトアークな新低水素棒 [F]LB-50FTやビード外観が美しい黒皮鋼板専用フラックス入りワイヤ [F]MX-Z50Fなど新製品を紹介。ニッチなニーズに応えた亜鉛めっき鋼用溶接材料「1Zシリーズ」は引き続き、亜鉛めっき鋼板の溶接に難渋するユーザの関心を引いていました。自動車では自動車メーカ「マツダ」と共同開発した「亜鉛めっき鋼用高耐食性溶接プロセス」を紹介。実ワークを展示し、溶接プロセス・材料からのスラグ量抑制による塗装性改善を提案しました。また低スパッタ化のため各自動車メーカが導入を進める「ワイヤ送給制御溶接法」に最適な溶接ワイヤ“F” シリーズは、チップ摩耗によるワイヤ送給の不安定化を抑制する新製品で、他社ロボットメーカの実演でも使用されていました。
建設機械向けでは、更なるロボット溶接の生産性・品質向上を実現するIoTを提案しました。生産支援ソフトAP-SUPPORT™を生産監視カメラとつなげる溶接工程の見える化提案、AI技術を活用した溶接中の異常検知、教示データを自動生成するオフライン自動教示システムを参考出展しました。
溶接実演コーナーでは、会場内で開催された「関東甲信越高校生溶接コンクール」の参加者や応援の生徒さん、東南アジアから来られた溶接協会の方、代理店の営業マンの皆さんが、CS推進部の指導をうけつつ溶接を楽しく体験していました。
神溶会コーナーでは「キャンペーン対象商品を当ててポッキーをもらおう」と冠したクイズ企画を行いました。75年間皆様に愛される被覆棒 [F]B-17の、旧パッケージを模したポッキーが貰えます。多くの方が昔の包装を懐かしみ、ご家族へのお土産に持ち帰っておられました。
神鋼溶接サービスコーナーでは、同社の接合研究、試験・分析など、お客様の課題解決につながるメニューを紹介。デジタルマイクロスコープを用いた2相ステンレスのフェライト量解析を実演、鮮明な拡大観察と多数視野による画像解析が可能で、自動化連続撮影による高速解析に大勢の方が関心を持たれていました。
神戸製鋼グループの特長である、溶接材料、ロボットから調査検査・技術サービスに至る「溶接ソリューション力」で、神戸製鋼が皆さまのベスト・パートナーであることを実感頂けたと自負しております。最後になりましたが、神溶会の皆様には期間中当社ブースにお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。
※文中の商標を下記のように短縮表記しております。 FAMILIARC™→[F] |