大阪府と兵庫県の境にある長谷(ながたに)の棚田は大阪近郊では数少ない美しい里の風景を形作っています。斜面を開墾した棚田には「がま」と呼ばれる、石組みで造られた給排水設備が見られ、地元の農家の苦難の歴史を物語るものでもあります。その昔、水の豊かな平地の少なかったこのあたり。そこで長い年月をかけて、少しずつ山を切りくずし、灌漑の工事を続け、ひとつひとつ田んぼを増やし、子孫に伝えてきました。この事から想像されるように、地元の人の棚田に対する愛情はとても強く、それにより生まれた幾重にも重なる美しい棚田の風景は千早赤阪村の棚田とともに、日本棚田100選に選ばれています。