藤枝市は静岡県の中央に位置し、静岡市の西に隣接しています。地形は南北に長く、北部は赤石山系の南端に接し豊かな緑に恵まれています。
「サッカーのまち」としても知られる藤枝市。これまで元日本代表主将の長谷部誠選手など多数の優秀な人材を輩出しています。市民のサッカーへの関心も非常に高く、スポーツの枠を超えた市の文化として根付いています。
今回はこの藤枝市に本社を構え、新工場を設立された株式会社飛鳥エンタープライズを訪問し、増田社長、鳥居工場長、石川課長にお話を伺いました。
本日はお忙しい中お時間をいただき、また、日頃より神戸製鋼溶接システム、溶接材料をご愛顧いただきましてありがとうございます。早速ですが御社の概要についてお聞かせください。
当社は、昭和30(1955)年の設立以来、さまざまな鉄製品の加工に取組み、多種多様の分野のお客様と製品に携わってきました。そして設立から60年を超えた今、変革の時を迎え、新たなステージへと進むべく2021年に新工場を設立しました。
「鉄骨ファブリケータの枠にとらわれない」との思いもあり、同業他社ではやっていない県内のテレビ局や映画館での全面スクリーンCMを放映など、積極的なブランド戦略を展開しています。
基礎となる溶接技術はもちろんのこと、産業用ロボットを導入した効率生産体制、徹底した品質管理をはじめ、従来の方法や考え方に捕らわれない“フレキシブルな会社” であることを、社員全員で意識しています。
ご使用になられている当社の溶接システム、並びに溶接材料に関する感想をお聞かせください。
神戸製鋼の溶接システムは、飛鳥エンタープライズにとって必要不可欠な設備であり、非常に満足しています。当社は創業以来、部材切断や孔明け加工などの一次加工は協力企業に委ね、鉄骨二次加工をメインで行ってきました。
専業だからこそ、溶接の重要性を知り、どこよりも溶接にこだわりを持っています。1996年の初号機納入から現在までの25年間で増設、更新を行い4システム保有する中で、ロボットに対する長年培ってきた経験と独自ノウハウを駆使することで、大きな戦力となっています。
溶接ワイヤについても、溶接システムと組合せたREGARC™プロセスにより、スパッタが非常に少なく、かつ微細化し、スパッタ除去作業などの後工程を軽減できました。
溶接システムについて「長年培ってきた経験と独自ノウハウ」について、お話しいただける範囲で教えてください。
省スペース型鉄骨コア・仕口兼用溶接システム3式、鉄骨柱大組立2アーク溶接システム1式を保有する中で、できる限りシステムの稼働を止めることのないよう、ロボットに合わせて工程を組んでいます。特に省スペース型鉄骨コア・仕口兼用溶接システムについては、時々の仕事状況に合わせて、ロボットごとに仕口、コアの施工を使い分け、フル活用しています。
もちろんロボットをフル活用するうえで品質管理は最重要項目であり、消耗部材の交換や日常点検の実施を徹底させています。
ロボットオペレータ一人一人のシステムに対する習熟度も高く、部品交換はもちろんのこと、不具合発生時の対処に至るまで、基本的にはメーカに頼ることなく自分たちで対応できるようにしています。
当社では外国人研修生や比較的年齢の若い従業員も多く、習熟度に差が出てしまいがちですが、“NG報告”はつど全員で共有し、社内のノウハウとして蓄積するようにしています。
産業資本として投資した以上、徹底的に使いこなし、自分たち独自の強みとして活かしていくよう心掛けています。
当社へのご意見ご要望などお聞かせください。
20年以上にわたり溶接システムを継続使用していく中で、REGARC™の開発といった溶接システムの進歩を目の当たりにしてきました。今後もさらなる自動化を目指して新たなシステムの開発、上市を推し進めていっていただきたいです。
貴重なご意見ありがとうございました。ノウハウの蓄積、共有の手法は以前もお伺いし、当社KobelcoWeldingアプリのシステムコンテンツを検討するうえでも参考にさせていただきました。ありがとうございました。
今後も鉄骨溶接システムのリーディングカンパニーとして、鉄骨業界のさらなる自動化に向け、お客様のニーズに耳を傾け、開発を進めていきたいと思いますので今後ともよろしくお願いいたします。
ご多忙の中、取材に協力いただきました増田社長様、鳥居工場長様、石川課長様に心よりお礼申し上げます。今後の株式会社飛鳥エンタープライズの皆さまの、ますますのご発展とご多幸をお祈り申し上げます。