特集4

「建築鉄骨用アーク溶接ロボットシステムの開発と拡販」が田宮賞金賞(最高賞)を受賞


この度「建築鉄骨用アーク溶接ロボットシステムの開発と拡販」が田宮賞金賞(最高賞)を受賞致しました。

田宮賞は、神戸製鋼所 第5代社長 田宮嘉右衛門の遺徳と事蹟を永く記念するため、当社及びグループ会員会社の中から会社の業績や社会的に大きく貢献したものについて表彰されるものです。1960年以来、今年が56回目となります。

この度の受賞は、鉄骨溶接システムを評価しご購入頂いたお客様、またシステム・溶接材料の紹介・販売・アフターフォローにご尽力頂いた商社・代理店他の皆様のお蔭であり、この場をお借りし厚く御礼申し上げます。

溶接事業部門として4回目の金賞受賞ですが、溶接ロボットシステムでは初受賞となります。神戸製鋼が鉄骨ロボットシステムに参入したのは1989年、後発でした。しかし溶接材料を含めすべてを自社開発する「溶接総合メーカー」として、現場に入り込んだ対応と商品へのフィードバック、施工基準が厳格化する中建築業界と交流を長年に亘り継続することで信頼度を向上、「神鋼のロボットなら大丈夫」と言われるよう継続して活動してまいりました。また事業が好調な時から次期アイテムの開発を進めてまいりました。炭酸ガス溶接でスパッタ・ヒュームを革命的に少なくしたREGARC™法も2000年代初めに開発が始まっています。

受賞理由は、「炭酸ガスアーク溶接で、大電流でもスパッタとヒュームを大幅に低減できる画期的な新溶接プロセス『REGARC™法』とそれを搭載した鉄骨溶接システムを開発し、顧客での施工生産性と溶接品質大幅向上の両立を実現したこと。また、これまで地道に培ってきた顧客との信頼関係の下、顧客層に応じた営業活動の展開、規格制定や委員会活動等の業界への積極的な関与等により、東日本大震災後の建設需要の急増時に独占的なシェアを確保して溶接システム事業のV字回復に貢献した。」ことが挙げられています。

永田学技術センター長

7月10日に鉄骨ロボットシステム事業に携わってきた神戸製鋼OBや現役社員、コベルコロボットサービス社員を集め受賞記念祝賀会を開催致しました。企画管理部松村浩史次長が「建築鉄骨用アーク溶接ロボットシステムの開発と拡販」と題した受賞記念報告会を行い、鉄骨ロボットシステムの開発・拡販の歴史と今後の展開を説明致しました。報告会に先立ち永田学技術センター長は「ロボット、溶接電源、プロセス、溶接ワイヤの開発と生産、営業、アフターサービス、と神戸製鋼のすべての資源が結合した成果と言える。今回の受賞は、何よりも神戸製鋼の鉄骨ロボットシステムを評価し購入頂いたお客様があってこそ。」と述べました。

祝賀会では、常務取締役 輿石房樹溶接事業部門長より「鉄骨ロボットシステムは溶接ロボットシステム、溶接ワイヤ、プロセスが組み合わさった溶接トータルでのお客様への提案であり、格差技術である。REGARC™法の原点は1989年のプロセス開発に端を発しており優れた技術を作り出すのにはあきらめず足の長い開発を続けることが重要。REGARC™に優る技術の開発を期待したい。」と述べました。また溶接システム部OB 竹内直記氏(元溶接システム部長、元コベルコロボットサービス社長)より、鉄骨ロボットシステム参入の経緯や開発の苦労話、後輩研究者へのアドバイスを、また中村寿宏氏(元溶接システム部長、営業部長、現:上海溶接器材有限公司董事長)より神戸製鋼初となる溶接ロボットシステムの引合・受注に至る経緯と苦労及び将来の中国市場展開への期待を、ユーモアを交え語りました。

最後に溶接システム部芝池雅樹部長より「鉄骨溶接システム事業はお客様やパートナー、鉄骨業界や溶接業界と共に発展してきた。後発メーカーでありライバルとの競争で鍛えられたことも大きい。今回の受賞は、ものづくり、営業、技術、パートナーやアフターサービスを担うコベルコロボットサービス(KRS)、カスタマーサポートグループ(CSG)の総合力が鍵となった。もっと使いやすい溶接システムの開発を目指していく。」と語りました。

輿石房樹溶接事業部門長
竹内直記氏

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