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炭素鋼にステンレス鋼を張り付けた板またはパイプをクラッド鋼といいます。これは腐食環境にさらされる面のみがステンレス鋼であればよい、という考え方です。
溶接材料の選定方法は、異材溶接と同じです。ステンレス鋼と炭素鋼の境界部では三者の成分が混合されるため、CrやNiの多い、309系の溶接材料を使います。
クラッド鋼の溶接施工や合せ材別の溶接材料の一例は以下をご参照ください。
一般の鋼材では、「溶接の際に割れが発生したら予熱しなさい」と教えられてきました。
しかし、オーステナイト系ステンレス鋼で発生した割れは予熱では防止できません。
一般的な鋼では、熱影響部が硬くなり割れるため、予熱が効果的です。オーステナイト系ステンレス鋼では熱影響部が硬くなることはなく、顕微鏡レベルでの成分の偏りにより割れが発生します。
対策としては、成分や溶接条件の検討が必要となります。
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