営業部ニュース

溶接ご法度集-28 各種母材におけるご法度(2)
ステンレス鋼編 その4


今回はステンレス鋼編の最後となります。

※本文中の溶接110番・119番および用語解説バックナンバーは、以下URLよりお入りください。
ぼうだより 技術がいどライブラリー https://www.boudayori-gijutsugaido.com/library/


ご法度(128)
クラッド鋼の溶接に注意を怠るのはご法度!

炭素鋼にステンレス鋼を張り付けた板またはパイプをクラッド鋼といいます。これは腐食環境にさらされる面のみがステンレス鋼であればよい、という考え方です。

溶接材料の選定方法は、異材溶接と同じです。ステンレス鋼と炭素鋼の境界部では三者の成分が混合されるため、CrやNiの多い、309系の溶接材料を使います。

クラッド鋼の溶接施工や合せ材別の溶接材料の一例は以下をご参照ください。




ご法度(129)
オーステナイト系ステンレス鋼の割れを予熱で防ごうとするのはご法度!

一般の鋼材では、「溶接の際に割れが発生したら予熱しなさい」と教えられてきました。

しかし、オーステナイト系ステンレス鋼で発生した割れは予熱では防止できません。

一般的な鋼では、熱影響部が硬くなり割れるため、予熱が効果的です。オーステナイト系ステンレス鋼では熱影響部が硬くなることはなく、顕微鏡レベルでの成分の偏りにより割れが発生します。

対策としては、成分や溶接条件の検討が必要となります。



※文中の商標を下記のように短縮表記しております。
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コベルコ溶接テクノ(株) CS 推進部・営業部
https://www.kobelco-kwts.co.jp/
原田 和幸

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