約3,000年の深い歴史を持つ、日本最古の温泉のひとつとして知られる道後温泉。飛鳥時代には聖徳太子も来浴したといわれ、夏目漱石の『坊ちゃん』にも登場しました。
明治時代、初代道後湯之町町長に就任した伊佐庭如矢(いさにわゆきや)は、「100年の後までも、他所が真似できないようなものを作ってこそ意味がある」と、抵抗する町民を説得して、老朽化していた道後温泉本館の改築に取り組みました。明治27(1894)年に改築された道後温泉本館は、西洋のトラス構造を用いた壮麗な三層楼で、国の重要文化財に指定され、風情溢れる町並みのシンボルとなっています。大屋根の中央にギヤマンを使用した塔屋・振鷺閣(とうや・しんろかく)を載せ、その上には道後温泉ゆかりの白鷺が据えられています。天井から吊り下げられた太鼓は、時刻を告げる刻太鼓(ときだいこ)として、朝6時に6回、正午に12回、夕方6時に6回打ち鳴らされます。
平成31年(2019)1月から保存修理工事中ですが、神の湯で入浴のみできるそうです。