天正十一(1583)年、前田利家の金沢入城より明治維新にいたる約300年にわたり、加賀百万石の城下町は形成されました。
金沢には三つの茶屋街があり、文政三(1820)年、加賀藩は城下に「ひがし」と「にし」に茶屋街の開設を許可しました。浅野川の東側に広がる「ひがし茶屋街」は、当時約90軒のお茶屋が立ち並び、明治以降も金沢の中でもっとも格式の高い茶屋街として賑わいを誇りました。江戸後期から明治初期にかけて建てられた茶屋建築の街並みは、そのままで残されています。街並みに優美な表情を生み出しているのは、木虫籠(きむすこ)と呼ばれる美しい加賀格子で、建物の一階部分は加賀格子で統一されています。
夕暮れ時、通りに佇んでいると芸妓さんの三味線の音が聞こえてくることも。
写真提供:金沢市