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ウィービング溶接では、広めのビードを得るためにアークを溶接線の直角方向に動かしながら溶接します。その際にアークが母材にかかったところで一瞬アークを動かさず止め気味にして、溶けた金属と母材がなじむようにします。これが、アンダカットを作らず、平滑なビードを得るコツといえます。
アークエアガウジングは、電極にカーボンを使ってアークで溶けた金属をエアで吹き飛ばす方法です。
通常、ガウジングは半自動で行うため、ガウジング面はスムーズではなく、またカーボン(炭素)を含んだノロが付着していることがあります。
そこで、溶接前にグラインダなどでノロを取り除き、ガウジング面を平滑にすることが必須です。
溶接作業で最初に注意されるのは「アーク長を短くしなさい」です。
アーク長が長くなるとシールドが悪くなり、空気中の窒素が混入するためにブローホールが発生したり、じん性(吸収エネルギー、ねばさ)の低下を引き起こします。
また、アーク長が長いということは、アーク電圧が高いということです。溶接法に関わらず、高すぎるアーク電圧は注意しなければなりません。
溶接の終端(クレータ)で何の細工もせずにアークを切ると、クレータ部が凹み気味になります。棒継ぎをする場合は、若干のくぼみがある方がビードが整いやすいと思われます。しかし、ビードの終止点になる場合は、溶接金属を補充して凹みが無いようにします、アークを切る際には、それらを考慮してクレータ内にアークを保持する時間を変えてください。
大きな電流でゆっくりと溶接すると、大きなビードがつき、能率も良くなります。逆に小電流ではやい速度で溶接すると、小さなビードがつきます。
この2つを比較した場合、能率は大きなビードの方が良いのですが、溶接金属の「強さ」や「ねばさ」などの性能は小さいビードで溶接した方が圧倒的に良いようです。
ここでも能率と品質のバランスが求められます。
ご法度(26) 入熱管理を怠るのはご法度! をご参照ください。