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で、溶着金属のビッカース硬さを表す数字を銘柄にしたパーライト系・マルテンサイト系の銘柄があります。その他の硬化肉盛用被覆アーク溶接棒が極軟鋼心線を使用し、合金元素をフラックスから添加している中でPREMIARCTMHF-1000のみが、フラックス入りワイヤ同様、主合金成分のタングステン炭化物を軟鋼フープに巻き込んだチューブ状の心線を使用するユニークな構造をしています。硬化肉盛用溶接材料は、求められる硬さ、特性(耐金属間摩耗、土砂摩耗、高温摩耗、など)に合せラインナップされています。硬さの確保、割れの防止(軽減)には適切な溶接材料の選定と母材のやよごれ、割れの除去などの母材側の処理、熱管理など施工上の管理が重要です。17.CI-A「CI-AXX」は鋳鉄用被覆アーク溶接棒です。“C”“I”はそれぞれ“CastIron”(鋳鉄)の頭文字に由来します。“A”はCM-AXXXで紹介の通り、心線に合金線が使われていることを表します。最初に開発された鋳鉄用被覆アーク溶接棒PREMIARCTMCI-A1(昭和30年開発)に合金線(純Ni線)が使用されており、以降55%Ni-Fe合金線のPREMIARCTMCI-A2(昭和33年開発)と続いています。その後は純鉄心線を使用したPREMIARCTMCI-A3にも本銘柄を付しています。PREMIARCTMCI-A1は溶着金属中のニッケルの効果により母材部(鋳鉄)からの溶着金属への炭素の拡散をおさえることにより熱影響部の硬化を低減し、また延性に富んだニッケルベースの溶接金属と相まって延性の不足しがちな鋳鉄の溶接を可能にしています。PREMIARCTMCI-A2は溶着金属のニッケルを35〜45%として熱膨張係数を小さくすることで、溶接時の収縮応力に起因した割れの発生を軽減しています。PREMIARCTMCI-A3は軟鋼系の溶接材料で、溶接金属は鋳鉄母材の溶込みによる炭素の影響で硬くなることから、PREMIARCTMCI-A1やPREMIARCTMCI-A2と比較して耐割れ性は劣ります。しかし鋳鉄母材とのなじみ性がよく、母材との色調差が少ないメリットもあり、小さな鋳造欠陥の補修にはよく用いられています。なお、PREMIARCTMCI-A1から-3の数字は開発順序を示しています。18.PREMIARCTMMC-16「MC」を称する被覆アーク溶接棒はPREMIARCTMMC-16のみです。低炭素系の16%マンガン-16%クロム溶接金属を生成し、高強度・高性の安定したオーステナイト組織が得られます。MCはそれぞれマンガン(Manganese)、クロム(Chromium)の頭文字、16はそれらの添加量(16%)を示しています。PREMIARCTMMC-16は13%マンガン鋼の溶接などに使用される他に、透磁性が極めて小さいという特長からリニアモーターカーに使用される高マンガン系非磁性鋼板の溶接などで好評価を得ていました。㈱神戸製鋼所溶接事業部門営業部営業企画室原田和幸主な特長耐割れ性良好機械加工容易耐摩耗性良好耐酸化性,耐熱性,耐食性耐摩耗性良好靭性・耐摩耗性良好靭性・耐衝撃摩耗性良好加工硬化性大高温硬度大,靭性良好耐エロージョン性極めて良好耐食性,耐熱性良好耐重研削摩耗性極めて良好耐金属間摩耗耐土砂摩耗耐高温摩耗耐キャビテーション耐食性耐熱性耐衝撃性主な特性※1○○○○×○△×△○△○○△◎◎×△○△×○◎×--○△△○××-×○△×○○××△○△×○○×○△△△◎○××※1◎:極めて良好◯:良好△:やや劣る×:劣る―:一般に用いられない2015Spring10