営業部ニュース

溶接ご法度集-10 各種溶接材料編(1) 
被覆アーク溶接棒③


今回は溶接材料に関わるご法度「被覆アーク溶接棒(被覆棒)」の第3弾です。

※本文中の溶接110番・119番および用語解説バックナンバーは、以下URLよりお入りください。
ぼうだより 技術がいどライブラリー http://www.boudayori-gijutsugaido.com/library/

ご法度(48)
フラックスの欠けた
被覆棒で溶接するのはご法度!

フラックスの欠けた部分ではアークの方向が変わり、ブローホールが発生する!

フラックスの欠けた被覆棒で溶接した経験はありませんか? 欠けた部分にアークが差し掛かると、アークの方向が変わってしまいます。また、その部分の溶接金属にブローホールやピットが発生したり、性能が劣化したりします。

フラックスはレンガのようにもろいものです。衝撃などを与えないように慎重にお取扱いください。特に低水素系被覆棒は注意が必要です。

ご法度(49)
開先の外に
アークストライクするのはご法度!

開先の外にアークストライクをするとその部分の母材が硬くなって危険!

母材の上に瞬間的にアークを飛ばしすぐに切ることを「アークストライク」と呼びます。

アークストライクを行うと、母材の上にのこる痕跡が問題となります。この痕跡部は瞬間的に高温となり、その後猛烈な速度で冷却されるため、硬さが上昇し割れの危険性が出てきます。

開先内のアークストライクは、あとで溶接されるため心配ありませんが、開先の外の痕跡はグラインダーなどで補修する必要があります。


ご法度(50)
強度の高い母材と低い母材を溶接する際に、低水素系以外の被覆棒を使うのはご法度!

引張強さが400MPaと590MPaの母材を溶接する際は、一般的に低い側の400MPaに合わせた溶接材料を使用することができます。しかし、590MPa側の熱影響部は硬化して割れやすくなります。

そのため、溶接金属の拡散性水素量が低い溶接材料を使う必要があります。また、予熱は引張強度の高い側(この場合は590MPa)に合わせた温度を選択してください。

・使用する被覆棒のタイプ 低水素系被覆棒
・溶接金属の引張強さ 400MPaに合わせることも可能
・予熱温度 590MPaに合わせる
・応力除去焼きなまし条件 400MPaに合わせる

*ステンレス鋼と炭素鋼の異材溶接についての詳細は
ぼうだより 技術がいどバックナンバー 溶接110番・溶接レスキュー119番 P.170「ステンレス鋼と炭素鋼の異材溶接について」参照

(株)神戸製鋼所 溶接事業部門 マーケティングセンター
マーケティング企画室 原田 和幸

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