2016年度神溶会全国総会が5月10日(火)に京都ホテルオークラに於いて開催されました。全国の指定商社・地区指定商社の代表の方々、当社溶接事業部門の幹部・スタッフ総勢約100名が参加致しました。
冒頭、弊社取締役専務執行役員 溶接事業部門長の輿石 房樹より挨拶があり、その中で神戸製鋼の中期計画に触れ、神溶会の方々と共にエリアマーケティングをしっかりと行い、その上で溶接材料・中厚板向けの溶接システムは、国内シェアダントツを維持・確立していきたいと述べました。
続いて、神溶会会長 溶接事業部門 営業部長 有園 博行より、営業概況についての報告がありました。
休憩の後、赤城乳業株式会社監査役でおられる鈴木 政次様より「ガリガリ君誕生秘話ー商品開発の極意ー」をテーマにご講演がありました。一貫して商品開発に携わられ、ガリガリ君誕生から、いかに大ヒット商品に育てたか? いかに企業が育ったか? をご自身の経験・体験をもとにご講演いただきました。
最後に地区指定商社代表として、株式会社シマキュウ 代表取締役社長 島田 隆昭様よりご挨拶があり閉会となりました。
引き続き、懇親会が開催されました。今年は、弊社代表取締役会長兼社長 川崎 博也が出席、挨拶致しました。
お忙しい中、今年度の神溶会全国総会にご出席いただき、誠にありがとうございます。
先月、九州の熊本地区を中心に大きな地震が発生致しました。まだ、東北の復興も成し得ていない中での大災害でした。神溶会のメンバーの方々、顧客の皆様には、被害や操業の停止、デリバリーでの課題など、多くのことが発生したとお聞きしています。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りすると共に、一日も早い復旧・復興を願うばかりでございます。
さて、一年前神戸でこの神溶会全国総会に初めて事業部門長として挨拶させていただきました。あっという間に一年が過ぎました。昨年、全地区の支部総会に参加させていただき、会員の方々と直接お話をさせていただく中で、神戸製鋼の溶接事業は神溶会の方々に支えていただいていると改めて実感いたしました。今年も8地区全て参加させていただく予定ですので、温かく迎えていただければと思います。
先月の末、神戸製鋼全社の2015年度の業績、2016年度の予算が発表されました。溶接事業部門はお蔭様で連結経常損益81億円を上げることが出来ました。海外の販売量が非常に厳しい中、頑張った数字だと思っております。特に国内の鉄骨ロボットシステムの販売が非常に好調で、それに伴い鉄骨ロボットシステム用のソリッドワイヤも好調でした。納期に関しましては非常にご迷惑をお掛けしておりますが、引き続き受注・販売をよろしくお願いいたします。
この4月から、神戸製鋼所の5ケ年の中期計画「KOBELCO VISION Gプラス」がスタートしております。素材系・機械系・電力事業の3本柱の盤石な事業体を確立させていくという中期計画です。
特に自動車の軽量化につきましては、超ハイテン材、アルミ素材の適用を拡大し、溶接事業部門が新しい接合のソリューション技術を開発していく体制で中期に取り組んでいきます。2020年にROAで5%以上の事業にしていくというのが中期の骨子です。
溶接事業は、国内で神溶会の方々と共にエリアマーケティングをしっかりと行い、溶接材料・中厚板向けの溶接システムの国内シェアダントツを維持・確立していきたいと思います。2014年度から2015年度にかけ、国内の溶接材料の総需要は3~4%程度低下いたしました。原因は建設機械が低迷、建築鉄骨の需要が想定程伸びなかったことに起因しています。建築鉄骨需要が今年度後半から爆発的に伸び、2020年の東京オリンピックに向け溶接材料の需要が回復、または好調を維持していくと考えております。国内は、中期的に比較的明るいと考えています。
一方、海外市場はご承知のように東南アジア・中国市場は非常に厳しい状況です。また、原油安もまだまだ続くと想定されますので、エネルギー産業も厳しい状況が続くと思います。従い中期計画の前半2~3年は厳しい時期が続くと思いますが、東南アジアの新興国、インド市場など新しい市場でのマーケティング力を強化し、後半で伸ばしていきたいと思います。
開発につきましては、社会に貢献するソリューション技術開発をしっかり行い、世界で最も信頼される溶接ソリューション企業になり、いかなる事業環境においても安定した収益が得られる溶接事業を皆様と作り上げていきたいと考えております。
国内事業で神溶会の皆様とWIN-WINの関係を構築していくのが、私自身の目標であり、その為には神戸製鋼はメーカーとしての役割をしっかりと果たすこと、すなわち強い商品力、強い技術営業力を皆様と共に作り上げていくことだと確信しております。
技術営業力に関しましては、溶接サポーター制度、エキスパート育成など、様々な活動が実を結びつつあります。今年4月から新たに発足しましたCS推進部と共に、我々もお客様を回りながら、技術サービス活動を強化して参ります。
商品力に関しましては、二つの要素があります。
一つは安定品質(ものづくり力)です。先月、西条工場でQCサークル交流会を開催いたしました。国内工場は勿論、海外拠点からも参加し、コストダウン、品質改善をテーマに発表する中で、我々の強みは安定した品質であるということを、全員で共有いたしました。
もう一つの要素は技術開発の更なるレベルアップです。主要な産業として、建築鉄骨、造船、自動車がありますが、それぞれの業種に対し、新しいソリューション技術を提案・開発していくことが必要だと考えております。
例えば建築鉄骨ですが、工場内溶接で使われており、好評の溶接ロボットシステムREGARC™プロセスのメニューを増やしていくことが必要だと考えています。4月大阪の国際ウエルディングショーにて、新しいロボットコントローラを発表いたしました。ロボットの技術を更に発展させ、例えば、人手不足が課題となっている現地溶接や、勾配仕口のような従来自動化が困難であった部位の溶接をロボット化・自動化する取り組みを行っていきます。
造船では、耐ペイント性の良いすみ肉溶接法、立向溶接作業性を改良したフラックス入りワイヤなど既にご提案させていただいておりますが、造船の工程別に、新しいロボットの開発や装置の開発、それに合った溶接材料の開発を進め、我々の溶接ソリューション、自動化を提案していきたいと思っております。
自動車では、マルチマテリアル化(ハイテン、アルミ)の新しい接合の技術を開発して参りますと共に、現在、問題となっております亜鉛めっき鋼板の溶接にも、新しい溶接材料・施工法をしっかりと提案して参りたいと思います。
良い溶接、社会に貢献する技術開発には、かなりの時間がかかります。諦めないで開発を続けることが大切です。お客様のニーズにあった製品を開発して参りたいと思いますので、お客様が何を求めているのか、何に困っているのかなど、神溶会の皆様と共有させていただきたいと思います。
最後になりますが、神溶会の益々の発展、また、ここにご参会の皆様、御家族様、御会社様の益々の繁栄、ご健勝を祈念し、そして神戸製鋼への変わらぬご支援をお願いし、本日の挨拶とさせていただきます。
引き続き神溶会の活動をよろしくお願いいたします。
2013年以降、全般的には堅調に推移しています。自動車は2014年の消費税増税の反動減以降、回復感に欠ける状況が継続している以外では、造船・建築鉄骨は人手不足が大きな問題となっているなど仕事量は確保出来ています。
中国、アセアンの景気減速と、長期化した原油安の影響により、原油に関わる設備投資が激減しています。
国内はここ2年間、おおまかには堅調な一方で、海外販売は減少しています。溶材販売量の約6割は海外市場での販売となっており、国内・海外の全てを合算したグループ販売量では、ここ数年間で最も低い水準にあります。
国内市場が堅調の中で、鉄骨溶接システムREGARC™を中心に、過去最高の売上を上げることが出来ました。
主要ヤードは2018年から2019年まで線表を埋めたと言われていますが、ここ1年ほどは一般的な貨物船・バルクキャリアの発注が世界的に無く、年明け以降の円高傾向の影響が懸念され、2017年以降は若干減少すると見ています。
仕事量が増加すると期待されながら、先送りの状況が続いています。但し、首都圏をはじめ大型案件は有り、また、それを見込んだファブの設備投資は旺盛なことから、2018年にかけて若干上昇すると見ています。
東京オリンピック以降は減少するとの予想も有りますが、個人的には首都圏では、2020年以降も大型案件が計画されており、それほど大きな落ち込みは無いのではと予想しています。
2016年度の後半では、2017年度の消費税増税前の仮需を見込んでいますが、以降は減少傾向が続く予測です。国内の溶材需要、2020年までの5年間の見方は以下の通りです。
古いデータですが2013年の世界の推定溶材需要は約628万トン(日本が28万トン、中国330万トン)とみています。
2015年、2016年では、中国・アセアンの景気減速等により世界全体では、8%程度減少と推定しています。
中期的に、中国は、もうしばらくこの状態が継続、それ以外の新興国のインド、アセアン地域、現在非常に厳しい韓国等が回復することで、世界的には、また2013年水準に近いところまで回復するとみています。
業種ごとに需要環境は異なり、それぞれの市場・顧客のニーズがあります。
自動車は今後、世界的には需要は伸長、低燃費を目的とした軽量化のニーズは先進国を中心に益々高まるとみています。
造船の人手不足・生産性向上等の課題は、日本だけの問題ではなく、中韓共通の課題となっています。
鉄骨の人手不足は造船と同様に、国内では深刻な課題ですが、鉄骨向けロボットシステムの販売は、近いうちに頭打ちの時期が来ることは明白です。
鉄骨・造船分野の生産性向上という課題に対して、溶接材料だけでなく、溶接設備・施工法を含めた、溶接の自動化を更に追求して参ります。そのためには自動溶接に必要なデータの処理、ロボットの小型化、専用の溶接材料を開発することが必要となります。国内の鉄骨市場から、これからは中国や北米などの新たな市場展開にチャレンジしていきます。
世界で600万トンの溶材市場で、まず長年軸足を置いてきた日本、アセアン、そして世界の中で最大の市場である中国での事業を強化していきます。
この2つの目標に対して、3つの“M” の力をこの5年間で高めていきます。(Marketing マーケティング、Monodukuri ものづくり、Manpower 人の力)この3つの力を磨くことで、単に溶材の供給メーカーとしてではなく、溶接そのものを提案する企業となることが中期目標であります。
ここ数年の推移と予測は以下の通りとなります。
2013年:消費税増税の前の駆け込み需要も有り需要増加
2014年:駆け込みの反動減か
2015年:ジリジリと低下傾向
2016年:建築鉄骨の回復を今年こそはと信じ、溶材需要全体では前年比増加を見込む
2013年度の541万トンから2014、2015年度は500万トン程度と横這いとなっています。2016年度後半から2017年にファブの稼働は上がると見込み、2016年度は510万トンと予測しています。
国内の自動車販売は、1年後の消費税増税前の駆け込み需要をこの2016年度に織り込むのが一般的な予想ですが、熊本・大分地震の影響、軽自動車の燃費データ不正等、予想外の影響が出ています。溶材需要での予測前提としましては、前年比102%と見ています。
円安の追い風もあり、2014年から2015年度の受注は好調で、2018年から2019年までは、仕事量を確保しています。但し、2016年1~3月で、受注状況は少し変化しています。円高の影響もありますが、2015年の受注は船の規制前の駆け込み特需もあり、その反動減と解析しています。
まとめますと、2016年度は274千トン(前年度比+1.5%)と予測しています。足下の円高、株安という経済全体の影響に加え、鉄骨加工の再度、再度の先送り、造船の受注状況等、刻々変わる足下の状況を注視する必要があります。
現状のシェアに満足し維持するだけではなく、更に細かなニーズを掘り起し、更なる高シェアの維持を目標としています。
鉄骨用のワイヤは、溶接ロボットREGARC™の販売好調により、相当の販売量をあげました。自動車の軽量化、超ハイテンというような次世代の自動車用鋼材に適応した製品開発が必要となっています。
造船業種向けが中心ですが、更にシェアアップを。特に、造船鉄骨分野での効率化にFCWの持つ製品特性を活かし、販売増・シェアアップに繋げたいと思います。
鉄骨用REGARC™は絶好調ではありますが、次の市場を早期に開拓していく必要があります。
国内で大きなシェアを有しますが、それぞれの電弧棒のタイプ別に見ると、亜鉛メッキ用といった特殊な用途の電弧棒にも大きなマーケットがあります。1月より亜鉛メッキ専用の電弧棒FAMILIARC™ Z-1Zを開発、更に、ソリッド、FCWと共に、『1Z』シリーズを併せて発売し、亜鉛メッキの鋼材を扱うユーザーのPRを開始しています。
昨年、鉄骨ファブ898社を調査しましたところ、FCWが使用される比率が意外と多くまた、ソリッドワイヤとは異なる性能であることから、高く評価されていることが判りました。
鉄骨の人手不足・作業の効率化などの課題を、FCWが持つ低スパッタ、美麗なビード外観は、解決するカギになります。2016年度に更なる新商品投入を含めて、鉄骨向けのPRに注力する予定です。
鉄骨向けREGARC™は絶好調ですが、経済施策はいつまでも続かず、また主要なファブには概ね行きわたったことより2017年以降は販売減少の可能性が高く、次の技術開発・次の市場開拓を目指します。
4月に発売開始した新型コントローラ「CB」は、従来に無い溶接方法を実現し、より高速かつ高品質な溶接、更にセンシング時間の短縮化を図りました。
鉄骨同様に生産性向上が求められる造船分野の自動化開発に着手しました。これまで、長年培った造船の溶接に関わるノウハウと、鉄骨溶接システムで進化した溶接自動化の技術を融合し、新たな分野での溶接工程の合理化を提案いたします。
溶接サポーター資格者は2015年度末現在で、2,506名を数えます。業種別溶接エキスパート資格者は3業種で、のべ881名が誕生しています。
昨年度はこれらの溶接サポーター資格者の方を対象に、4つの地区でキャンペーン活動を実施いたしました。それぞれの溶接サポーターの皆様に拡販ターゲットユーザーをリストアップしていただき、例えば、先ほどの鉄骨用FCWを同行PRしていくという活動です。勿論、拡販も目的ではありますが、最大の目的は、溶接サポーター自身がお客様のニーズを分析しPR活動を行うことで、より実践的な溶接知識・商品知識の習得を図ることにあります。
3月まで行われました関東地区、ディスカバリーキャンペーンでは、関東神溶会の商社・地区指定、代理店に加え、認定販売店さんも20社が参加されました。82社の会員各社から486社のユーザーをリストアップいただき、374社での同行巡回を3ケ月のキャンペーン期間に実施しました。
溶接サポーター資格者を社内で持っていただくことは、神溶会会員であることの条件ですが、これは、座学講習・筆記試験と実技試験だけで取得出来ます。更に、実際の現場で、実践的な技術向上の場とした溶接サポーターの活動を、今後も各地区の神溶会で行っていきますので、積極的なご参加をお願いしたいと思います。
営業部 カスタマーサポートグループ(CSG)を、4月より神鋼溶接サービスに移管しました。神鋼溶接サービスは新人営業マン対象のフレッシュマンコースや溶接JIS検定等の研修コースなどの研修事業に加え、技術サービス部門を移管することで、研修事業・人材育成との一体化、溶接の自動化に対応出来るような、より幅の広い技術サービス体制作りを目指して参ります。
電弧棒はじめ、鉄骨向FCWなど細分化したニーズに対応すべく開発を進めて参ります。ニーズのキーワードは鉄骨・造船に代表される自動化・効率化です。メーカーとして、新商品・施工法をPR出来る技術サービスの体制を、より幅の広い活動組織へ発展させていきます。
そして、新しい技術サービス体制と新商品・技術を、神溶会の溶接サポーターの皆さんと、市場に展開する活動を継続しながら、技術提案力の向上を図って参ります。
神溶会は今年で65周年を迎えますが、70周年に向けて、この神溶会組織そのものが、日本で最も信頼される溶接ソリューション集団を目指して、日本のものづくりを支えるべく、神溶会での人づくりの活動を今後も継続して参ります。
神溶会会員の皆様、弊社溶接事業部門の全国総会にご出席いただき誠にありがとうございます。また、日ごろのご支援・ご協力に感謝いたします。
先の熊本・大分で発生致しました地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げます。また、被災された御会社様、従業員の方々へ心よりお見舞い申し上げます。
21年前の阪神・淡路大震災の折には、様々な方々から暖かいご支援をいただき、復興を果たしました。このことを忘れず「社会との共存」の精神の下、熊本・大分の皆様の復興への支援・協力を行っていく所存です。
先日発表した中期計画では、溶接事業部門は「世界で最も信頼される溶接ソリューション企業」として、アジアナンバーワンとなることを基本方針としています。国内事業がその中心であり、エリア・マーケティング活動の強化を進め、造船・鉄骨向けなどでの拡販活動を通じて、国内で圧倒的シェアを確保して参ります。また、お客様への溶接の自動化提案を推進するなど、ソリューション事業を更に追求して参ります。
これらを支えますのは、神溶会をはじめとする皆様方であり、目標への道筋と達成への使命を共有し共に行動することで、更に強固なネットワークを構築することが出来、国内事業が更に強く、盤石になるものと確信いたしております。
「KOBELCO VISION “G+”(ジープラス)」を達成し、その先2021年の神溶会70周年に繋がることに期待いたします。
神溶会の旗には、「伝統」「変革」「繁栄」の三つの意味が込められていると聞いております。伝統に弛(ゆる)まぬ変革を織り込みながら、新しい価値を創造していくことが出来れば、自ずと持続的な成長・繁栄へと繋がり、目まぐるしく変化する時代に打ち克つことが出来ると信じております。
当社は今年で創業80周年を迎えることとなりました。皆様方のご協力があってのことと心より感謝申し上げます。
会社を経営しておりますと10年ごとに周年行事の年があります。かなりの負担にもなり、労力もかかります。今も毎日バタバタの状態ですが、周年行事をすることにより、自社の歴史を振り返ることが出来ますので、大切なことだと思っております。
周年行事では色々な形があり、式典、パーティー、展示会を開催したり、社史を作ったりとありますが、一番大変なのは社史を作ることだと考えています。大手の会社の様に専属の人が居る訳ではなく、お願いするにしても中々出来る人も居りませんので、今回も私自身が一人で作ることになっております。とても大変ですが、これも将来役に立つのかなと思っています。そんなこともあり20年前に父が作った60年史を久しぶりに読み返してみました。その中には神戸製鋼様とのお付き合い当初のことも書かれております。
昭和28年当時、新潟でも神戸製鋼の溶接材料の品質の良さは非常に評判が良く、中々手に入れられない状況でした。当時専務であった父が、何とか商品知識を得て販売させて欲しいとの思いから、今で言うセールスフレッシュマンコースが東京で開かれると聞き、新潟から東京に出向いたことが書いてありました。その後、昭和35年に販売特約店に登録されました。当時のいきさつなども書いてあり、60年前の出来事が今に繋がっているのだなと改めて確認した次第です。その後地区指定商社になりましたのが平成6年4月です。当時私は専務でしたが、社長代理として当時から全国総会に出席させていただいており、改めて計算いたしますと、22年もこの総会に出席していることになります。当初30代半ばで非常に若かったこともありますが、この会に来ますと各地区の長老の方々が揃っておられ、若い私から見ると平均年齢の高い会だなと思っておりました。いつの間にか私もそんな歳になっており、月日の経つのは早いなと思うこの頃です。
社史ですが、大体1回読めば本棚に入れっぱなしというのが殆どだと思いますが、これから折角苦労して作るのですから、有効に使える社史に出来ないかと以前から思っておりました。今回、社史を担当して下さる会社の企画担当の方と最初にお話しした際、先方から「社長、社史を作る目的は何ですか?」「誰に読んで貰うことを想定して書きますか?」というような質問を受けました。「それによって書く内容が変わってきますから」とのこと。
社史と言えば普通、会社の過去の歴史を客観的に年代事に羅列して書くことが多いのですが、それよりも「当時の社長や経営陣の思い、その物事の背景を中心にして細かく書いた方が面白いのではないですか?」と言われ、今回はその方向で進めております。
社風も当時の社長の考え方、行動から出来上がってくるものだと思っておりますので、その当時の社長がどういうことを考え、なぜそのような行動をとるようになったかが社史に書かれていれば、後の方々も納得出来る部分もあるのではと思っております。社史を書くことにより、会社が苦しい時(バブル崩壊、リ-マンショックなど)に社長や経営幹部がどんな思いをしていたのか? どういうことをしていきたいのか? 詳しく書くことで、経営を引き継ぐ人の参考にもなると思っております。また経営に関わらない人にも経営のケーススタディ集として残れば良いと考えています。
社史に神戸製鋼様、皆様との思い出がたくさん書けますように、これからも密なご指導をお願いいたします。
本日はありがとうございました。