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三井造船株式会社 大分事業所 運搬機工場


大分から世界の港へ
世界のコンテナ物流を支える港湾クレーン

河津課長補佐

大分県大分市。九州の東部、瀬戸内海の西部に位置し、古くは豊後国の国府が置かれ、府内と呼ばれていました。キリシタン大名として名高い大友宗麟公のもと、南蛮文化が花開いた土地であり、現在は、関あじ関さば豊後ふぐ、とり天に豊後牛とグルメの方々からの人気が高い街でもあります。併せて、鉄鋼業や化学工業が盛んな工業都市でもあり、近年では電子工業の立地も進んでいます。

今回は、三井造船株式会社運搬機工場を訪問し、製造部の河津課長補佐にお話しを伺いました。

本日はご多忙中にも関わらず、お時間を頂戴し誠にありがとうございます。また、日頃より弊社溶接材料及びシステムをご愛顧頂きましてありがとうございます。

早速ですが、御社の概要と直近の仕事状況をお聞かせ下さい。

大分事業所は1981年に操業を開始し、1993年に当時業界最大級の鉄構工場として能力増強を行い、これまでに大型ボイラー、各種橋梁、石油掘削装置、LPGタンク、海洋開発機器等を製造し今日に至ります。現在は三井造船の運搬機工場として、「社会に人に信頼されるものづくり企業であり続けます」という企業理念のもと、コンテナ荷役用のガントリークレーンとトランスファークレーンを主製品として、その他各種クレーンと陸上構造物を製造しています。

2014年実績では、ガントリークレーンを約20基、トランスファークレーンを約40基建造しました。向け先は国内港湾向けと輸出案件が半々くらいとなっています。輸出先としては、東南アジアが最も多いですが、トルコやアルゼンチンといった国々にも実績があります。

世界的な物流量の増加が継続すると予測されるため、港湾用の荷役クレーンの需要も伸びていくと見ており、大分事業所も大幅な能力増強を図っているところです。

ガントリークレーン
トランスファークレーン

クレーン製作において、水平すみ肉溶接にはFAMILIARC™ MX-Z200 をご採用頂いております。継続的にご使用して頂いている理由をお聞かせ下さい。

まずは耐ピット性に優れるところが挙げられます。加えて脚長7mm程度までなら1パスで滑らかで美しいビードが引ける点も好評です。それから神鋼さんのFCWは送給性に優れているという点で、現場の作業が滞ることなく進められるので重宝しております。

水平すみ肉を専門に行う部署では、半自動、簡易台車、多電極溶接装置で、ほぼ全てFAMILIARC™ MX-Z200を使用しています。

FAMILIARC™ MX-Z200 8 電極
FAMILIARC™ MX-Z200 簡易台車

ご評価頂きありがとうございます。次に全姿勢用のFAMILIARC™ DW-100についても評価をお聞かせ下さい。

クレーンの製作においては、製品のサイズや形状、建屋の制約もあり、反転を行いづらいという難点があります。そのために立向きや上向きの溶接がどうしても多くなりますので、全姿勢用の溶接材料が必須となります。神鋼さんには立向き上進性の向上という現場の要望をくみ上げて頂き、当初納入して頂いていたFAMILIARC™ DW-100から、何度かの改良を経て現在の製品を納入して頂くに至っています。

立向き上進溶接の効率が向上し、現場からの評価も上々です。FAMILIARC™ MX-Z200同様に送給性が良いので、トーチまでの送給系が長く少々曲がっていても安定した溶接が可能となっています。また、全姿勢用ワイヤでは590MPa級鋼用の材料についても改良を実施頂きました。こちらも作業性が良いと好評です。

FAMILIARC™ DW-100狭隘部
反転を行いづらい大型構造物

ありがとうございます。では当社溶接ワイヤや溶接システムへの総合的な印象をお聞かせ下さい。

先ほどFAMILIARC™ DW-100改良の経緯でも述べましたが、現場の意見を良く聞いていただいているという印象を持っています。

それから、カスタマーサポートグループに溶接コンクール指導を複数回実施頂いています。運搬機工場では主に厚板の溶接を行っており、また二次電源がコンクールのときに使用する二次電源と違うため、条件合わせのコツなど溶接材料以外の点でも多くのアドバイスを頂き、非常に参考になっております。

また、2014年に納入いただいた神鋼さんの溶接材料は29銘柄で、サイズ、包装形態毎に細分すると40種以上にもなりました。これは現場のニーズに合わせて多様なラインナップを揃えていることはもちろんですが、ユーザーが要求する時期に遅滞なく多種多様な製品を生産する神鋼さんの工場,物流や在庫の調整を行う流通販売網が機能してこそできることだと思います。おかげさまで、製造工程を考える上で溶接材料が入荷しないというリスクを減らすことができております。

当社への要望がありましたら お聞かせ下さい。

クレーンの部材には、炭素量が0.5~0.7%の高炭素鋼を使用する箇所があり、低水素系の電弧棒で施工しています。これらを半自動で施工できるようなFCWがあればと思っています。安全衛生の観点からは、更にヒュームを減らして頂きたいと思います。製品の構造上、狭隘部での溶接は避けて通れないため、ヒュームが少ないワイヤは現場から支持されることと思います。

貴重なご意見ありがとうございます。また、本日はお忙しい中、貴重なお時間を頂きまして誠にありがとうございました。

今後とも、溶接材料並びに溶接システム共に益々信頼して頂けるメーカーとなれるよう努力して参りますので、宜しくお願い致します。

終わりに

ご多忙の中、取材にご協力頂いた河津課長補佐をはじめ、三井造船㈱運搬機工場の皆様の益々のご発展をお祈り申し上げます。

レポーター 里元 創
㈱神戸製鋼所 溶接事業部門 営業部
西日本営業室 九州営業所

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