ぼうだより2014年11月号


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ーよくわかるロボットシステムーROBOTSYSTEM自動TIG溶接装置について1.はじめに近年、生産現場においては、溶接の自動化が進み、溶接品質の安定化や作業能率の向上に貢献しています。自動化は産業用ロボットだけでなく、大型構造物の溶接現場へも広がっています。その中でも、液化天然ガス(LNG)はクリーンなエネルギーとして注目されており、エネルギー貯蔵用のタンクの建設が活発化する中で、タンクの大型化も進んでいます。今回は、この大型タンクを溶接するTIG溶接装置について、その構成や機能について紹介します。2.自動TIG溶接装置の概要とその構成液化天然ガスを貯蔵したLNGタンク等で主流となっている溶接施工法の一つにTIG(TUNGSTENINERTGAS)溶接があります。TIG溶接は高品質な溶接が可能となる一方、その溶接施工に熟練を要すとともに、長時間の溶接作業を強いることになります。この課題を解消するため、従来からTIG溶接の自動化が進められています。当社では、可搬式の全姿勢自動TIG溶接装置として、TIL-AUTOシリーズを開発、販売しています。本装置は、・溶接台車、操作ボックス・制御盤・溶接電源、MC電源・冷却水循環器から構成されています(図1)。3.自動アーク長制御機能TIG溶接を自動化する場合、溶接対象物(ワーク)の位置誤差や熱歪みなどの影響により、アーク長が変化するため、良好な溶込みを確保することが困難とされていました。これに対して、自動TIG溶接装置では、アーク電圧を計測してアーク長を算出し、常に所定のアーク長になるように溶接トーチとワークとの距離を制御する、AVC(ARCVOLTAGECONTROL)機能が用いられています。AVC機能の原理を図2に示します。溶接中の電極-ワーク間のアーク電圧を計測し、この電圧が基準電圧と同じになるように溶接トーチを上下に動かすことでアーク長を一定に保つことができます。これにより、安定した溶込みと均一な溶接ビード外観を得ることができます。4.開先倣い制御機能TIG溶接では、溶融金属を開先(溶接を行うワーク間に設ける溝)の中に何層にも盛り、各層にすき間や溶込み不良などが生じないように溶接トーチの位置や溶接条件を制御することが必要です。そのためには、溶接箇所の開先形状や溶接線からのズレを正確に把握し、溶接を行う必要があります。当社の自動TIG溶接装置では、溶接ロボット分野で培ったアークセンサの技術を生かし、溶接線及び開先幅の変化に応じてオシレートの位置と振幅を合わせる開先倣い制御機能を搭載しています。溶接を行いながらリアルタイムで図1自動TIG溶接装置(TIL-AUTO-LTR)図2自動アーク長制御機能の原理【溶接台車(操作ボックス)】【制御盤】【溶接電源】【MC電源】【冷却水循環器】4


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