ぼうだより2014年7月号


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し柄の銘おはな新被覆アーク溶接棒の第2弾になります。被覆アーク溶接棒は単純に言いますと切断された線材にフラックス(被覆剤)を均一に塗って作られます。作業性(使い勝手)と溶接性(耐欠陥性、機械性能)は特にフラックスの原料の配合で決まるため、多大な時間と労力を費やし、多くの特徴のある被覆アーク溶接棒を開発してきました。4.ZERODE-XX(Z-XX)神戸製鋼所はいち早く溶接作業現場の環境衛生について取組み、昭和30年にアーク溶接ヒュームの衛生学的実験研究をスタートさせました。以来、ヒュームの質的低減、質的改善を継続して追及してきました。溶接アークは5,000℃という途方もない高温ですから、どんな物質でも(金属であっても)たちどころに蒸気となってしまいます。アークに面している被覆アーク溶接棒の先端では、溶けて液体となった溶鋼やスラグなどが激しく蒸気を発しています。そしてこの蒸気は、アークの力によって空気中に噴出され急に冷やされてたくさんの小さな粒子となります。これが煙の主体である「ヒューム」です。溶接材料から発生するヒュームは、材料の種類や溶接法、溶接条件などによって変化しますが、いずれにしてもヒューム発生量を減少させることは作業環境の改善に大きな効果があることは間違いありません。前置きが長くなりましたが、「ZERODE(ゼロード)」シリーズの全ての被覆アーク溶接棒はヒューム発生量を少なくした溶接棒なのです。溶接現場における作業環境の改善は、いつの時代にも要求される大きなテーマです。神戸製鋼のFCWにはDW-Z100、MX-Z200などの低ヒューム・低スパッタワイヤシリーズ「Zシリーズ」があります。これからも溶接に関わる人々の健康を守り、働きやすい環境の実現に取組んでいきます。さて、「ZERODE」という銘柄は、数字のゼロ(ZERO)とELECTRODEを組み合わせた造語です。ゼロードシリーズは昭和50年(1975年)に完成しました。銘柄としてはZ-44,Z-6V,Z-43F,Z-27の4種類がカタログにあります。現在では新商標の採用によりZERODE-44からZ-44となりZERODEという銘柄名としては使用されなくなりましたが、「ゼロード」の名称は溶接に関わるだれもが知る名称となっています。ライムチタニア系のZ-44は、神戸製鋼の被覆アーク溶接棒の中で、最も日本国内で販売されている銘柄です。5.RB-26RB-26は高酸化チタン系(E4313)に分類されるもので、同じタイプの溶接棒にはB-33という銘柄があります。当時、高酸化チタン系の被覆アーク溶接棒は被覆剤の主原料にルチールという原材料を使っており、その主成分がチタニア(TIO2)なのです。このタイプの特長はビード外観が美しいこと、スパッタが少ないこと、溶込みが浅いこと、などであり、主として薄板用として使われています。特にRB-26は全ての径で全姿勢溶接が可能です。RB-26は昭和26年にできた溶接棒で、Rはルチール(RUTILE)からとり、Bはスラグシールド系を表します。高酸化チタン系としては前回挙げたB-33があり、現在日本国内ではB-33が主流となっています。B-33は昭和33年に完成した溶接棒です。RB-26は東南アジアの主力銘柄であり、最も多く使用されている溶接材料の一つです。タイ、インドネシア、シンガポール、マレーシアの工場で生産されたRB-26が東南アジアのあらゆる国、そして中東で使われています。(株)神戸製鋼所溶接事業部門営業部営業企画室原田和幸被覆アーク溶接棒(2)Z-44(西条工場製造)RB-26(タイ神戸製造)9


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