ぼうだより2014年7月号


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ーよくわかるロボットシステムーROBOTSYSTEMうなワーク配置にすると、ロボット移動装置のストロークも必要最小限に抑えられ、システム全体として省スペース化が図れます。半自動溶接などで使用される汎用ポジショナと異なる点として、ロボットはティーチングされた通りに動作しますので、ロボット溶接用ポジショナにも高い位置決め精度が要求されます。このためロボット移動装置と同様にサーボモータ駆動でロボットの外部軸として制御できるようになっています。特にアークマンモーション機能(オプション)を用いる場合には、ロボットと同期するためにポジショナモータも急加減速させますので、モータや減速機といった駆動系部品の選定には細心の注意を払って設計を行います。同時に、ワークの重みでポジショナが大きくたわんでしまってはロボット内部で計算する理論座標値と、実際のロボットとワークとの位置関係に乖離が生じ、機能に支障をきたしますので、装置本体にも高い剛性が求められます。大きなものでは搭載可能質量が10TONを超えるものもあるので、必要に応じて3D-CADによる構造解析を行っています。(図5)4.クランプ治具溶接設備においては主にポジショナのターンテーブル上に設置され、様々な形状のワークを位置決めし、確実に固定する装置がクランプ治具です。溶接用クランプ治具に求められる要件を大別すると以下になります。①溶接適用性の確保クランプ治具が溶接適用性を阻害しないよう検討します。具体的には、ワーク把持部と溶接トーチの干渉がないこと、ロボットが溶接姿勢を取った時にクランプ治具とロボットアームが干渉しないことなどが重要になります。②作業性の向上生産現場においては、ワーク(製品)を一つ生産する度にワークの着脱作業が伴います。特に複数機種を対象とする治具では、機種毎に位置決め基準部材や把持部材の段取り替えが必要になることもありますが、この時の使い勝手が悪いと生産効率に悪影響が出ます。お客様との打合せを重ね、作業性の良い治具となるよう検討、仕様決定していきます。③安全性の確保中厚板業種のワーク質量は概ね数百~数千KGという重い物ですが、ポジショナ動作によりワークの天地が逆転することも多いので、如何なる姿勢でも確実にワークを保持していることが必要です。十分な機械強度を確保すると共に、制御面でも各種のセンサを設け、操作ミス等による誤動作を防ぐインターロックをとります。これらの要件を高い次元で両立させるのが技術力の見せ所ですが、一つの治具で適用するワーク種類が増えれば増えるほど、装置として成り立たせるのは加速度的に難しくなっていきます。場合によってはご要望に全てお応えするのは物理的に不可能なケースもありますので、その際は一部のワークにアダプタを付けていただくなどの手段により、治具とのインターフェースを共通化するようなことも提案しています。いずれにしても、安全性の確保は最優先になります。5.おわりに今回はお客様のご要望に応じて都度設計を行うロボットシステム用周辺装置について紹介しました。今後もお客様の課題を解決するシステムを提案・開発し、安心してお使いいただける安全な製品を提供していきます。株式会社神戸製鋼所溶接事業部門技術センター溶接システム部村上元章図5ポジショナの構造解析(剛性)図4(A)1軸ポジショナ(B)2軸ポジショナ5


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